国公立大学 進学のすすめ2020

広告特集
企画:朝日新聞社メディアビジネス局
制作:AERAムック編集部

九州大学 Kyushu University

INFORMATION

FOCUS

2学部を改組し
社会の激変に応える

世界へ飛躍する九大新世紀 ×
Kyushu University

工学部航空宇宙工学科での研究の様子。航空機用ジェットエンジンの騒音低減を目的に、専用の装置で実験を行う

変わる工学部が育む
新時代の研究者とは

世界はいま新型コロナウイルスによる混乱の中にあるが、解決すべき課題はほかにもある。エネルギー問題と環境問題、少子高齢化、AI(人工知能)など技術の進歩による産業構造の変化──。山積する問題に挑むため、九州大学が学部の変革を行っている。

2021年春に改組されるのは工学部と工学系大学院だ。同大学副学長を務める大学院工学研究院の髙松洋(ひろし)教授は「社会が大きく変わろうとしている現在、新たな技術開発が不可欠」と語る。それを担う次世代のエンジニアや研究者には、次の三つのことが求められるという。

「まずは専門分野を身につけ、自身で深化させられること。多様な事象を、専門分野の観点からだけでなく俯瞰(ふかん)して捉えられること。そして新しいことにチャレンジできることです」

こうした人材を育てるため、工学部は生まれ変わる。既存の6学科を、より専門分野の明確な12学科に改編。融合基礎工学科と量子物理工学科を新設し、複合的で挑戦的な分野を学ぶ。入試方式でも選択肢を増やし、幅広い個性の学生を募集する。

広い視野をじっくり養う
6年一貫型の深い学び

「本学工学部の卒業生の8割以上が大学院に進学します。この状況を受け、工学部出身者にとっての『社会への出口の標準点』は修士課程修了時だと判断しました。学部から大学院修士課程まで接続した6年一貫型教育を実現することが、この改組の最大の目的です」(髙松教授)

1年次には学部共通教育、2年次前期には学科群共通教育、そして2年次後期以降は学科専門教育を実施。基礎を重んじながら段階的に深化するカリキュラムを経て、大学院でのより専門的な教育へ切れ目なくつないでいくことが、「6年一貫型教育」の特徴だと髙松教授は話す。

工学系教育改革をけん引する髙松副学長

「工学部には英語で講義を行う国際コースが設置されており、外国人留学生と日本人学生の交流で学内の国際化を図っています。また、独自の海外研修プログラムの実施やロボコン等への参加支援など、課外活動への支援も充実しています」

そのほか、同大学では国内屈指のアントレプレナーシップ(起業家精神)教育が提供されており、部活動として『起業部』も立ち上がるなど、イノベーションマインドの醸成にも注力している。髙松教授は、この多彩な環境も、工学部が目指す教育にとって大切な要素だと続ける。

「多様な取り組みや支援を活用すれば、より幅広い視野を身につけることができる。恵まれた環境で行う最先端の研究を通じて、多分野をリードする『博士人材』を育てていきたいと考えています」

変わる芸術工学部で
未来をデザインする

九州芸術工科大学を前身とする芸術工学部は20年4月に改組。それまでの5学科を、5コースを横断して学ぶ1学科に改めた。50年以上の歴史の中でも大きな改革の理由を、谷正和芸術工学部長はこう語る。

「かつてデザインとは『目に見えるもの』を作ることでした。しかし時代の変遷の中で、サービスや体験など、『目に見えないものを作る』役割が大きくなってきた。そうした幅広いものをデザインするため、分野の枠を超えた学びやグローバルな視点が必要になってきたのです」

改組と共に希望参加制の国際プログラムを導入し、留学や海外との交流もこれまで以上に活性化する。さらに「目に見えないもの」の創造に特化した「未来構想デザインコース」を開設。新たな社会の仕組みや価値を考える授業を通じ、デザインによる社会課題の解決を目指す。

芸術工学部でもグローバルな学びに注力

これは時代の求めに応じたもので、工学部の改組や、18年新設の共創学部とも目的を一にする。実際に芸術工学部と共創学部は学部間の行き来も活発で、ワークショップなど課外活動を共同で行うこともある。

「デザインは社会があってこそ成立する学問分野です。例えばスティーブ・ジョブズが作ったのは単なるスマートフォンではない。彼は『iPhoneがある社会』を作ったのです。そうした発想ができれば、デザインの意義がより深くなります」

変わる社会とそれに呼応するデザインは、相互に影響し合う関係にある。コロナ禍のいまこそ、「新たなデザインの出番」だと谷学部長は語る。

「いま社会は変わる必要がある。デザインでそのモデルを提示することもできるはず。どんな世界にしたいかを考え、そのビジョンに向かっていくのが、芸術工学部が考えるデザインです。いまの社会に生きづらさを感じているような人も、ぜひ本学部で学んでほしいですね」

PRESIDENT’s MESSAGE 総長メッセージ

自ら課題を見つけ、
未来の社会が求める
新たな知を創造しよう

久保千春 総長

久保千春総長は今回の改組の目的を次のように語る。

「答えが存在する問いに解答しているだけではイノベーションは生み出せません。これからの社会を支えるには、他分野の専門家とも柔軟に協働し、問題を発見し、課題を解決していく力が必要です。そうした革新的な人材を育成すべく、大学も進化を続けています」

だが、そこに感染症拡大という事態が重なった。心療内科医でもある久保総長は学生を気遣い、こう話す。

「まずは身体を整えることが大切です。自分の気持ちに気づき、いたわり、自らを励ます言葉を持ってほしい。精神的な影響も考えられるため、学生や教職員の心のケアも重要だと考えています」

同大学では、独自の学生支援金や授業料免除を盛り込んだ「九州大学緊急学生支援プラン」を実施。新型コロナウイルス対策学生支援基金も設けた。2013年にはすでにパソコンを必携化し、デジタル学習環境の全学展開をしていたという下地もあり、約4900科目のオンライン授業は大きな問題もなく運用されているという。

「『quickQ』も活用されていますが、学生が開発したシステムはほかにもあります。伊都キャンパスに通う学生・教職員のためのバス停混雑度情報可視化システム『itocon(いとこん)』は、人混みを避ける新たな生活様式の実現に一役買っています。さらにワクチン開発など、前向きな取り組みを続けています」

久保総長は、学生や受験生に向け「いろいろな情報にあまり惑わされず、勉強に集中を」とメッセージを送る。巷(ちまた)にあふれる情報の取捨選択も、課題解決に必要な力の第一歩だ。

「国際色豊かな本学のキャンパスで学び、世界で指導的役割を担うグローバル人材になってほしい。誰も経験したことのない状況だからこそ、ぜひ未来の課題に挑戦してほしいと思います」

CAMPUS TOPICS

TOPICS1 1世紀続くカイコ研究の成果。
新型コロナのワクチンを早期実用化を目指して開発中

1919年のカイコ研究開始から100年以上。九州大学大学院農学研究院は現在も、最先端のカイコ研究拠点として約450種のカイコを飼育する。近年では同研究院の日下部宜宏教授が、ワクチンなどの原料となるたんぱく質を効率よく生産するカイコ系統を発見。2018年にはそうした技術をもとにベンチャー企業「KAIKO株式会社」が創業された。さらなる成果が期待される中で出現したのが新型コロナウイルスだ。九州大学ではすぐに研究に着手し、20年6月には同ウイルスのワクチン候補となるたんぱく質の開発に成功。カイコによるワクチン製造は弱毒化ウイルスなどを必要とせず、安全性も高くコストも抑えられるという。現在は大学院薬学研究院と共同で、実用化へ向けて開発を進めている。
カイコは大量生産が可能で、昆虫工場のスケールアップも容易

TOPICS2 学生の悩みは学生が解決!
オンライン授業相談システム「quickQ」を全学で活用

コロナ禍で急速に普及した遠隔授業に戸惑う学生や教員は多かった。そこで作られたのが、オンライン授業に特化した質問・相談サービス「quickQ」だ。ビデオ会議のソフトウェアや学習支援システムの使用で困ったことがあれば、学生はシステム上からチャットで相談。対応するのは知識豊富な学生スタッフだ。

開発は九州大学の学生参加型産学連携プラットフォーム「iQ Lab」の学生が中心となって行った。同プロジェクトで共同代表を務める野口岳さん(21世紀プログラム4年)は「開発期間はわずか10日でしたが、迅速にサポートシステムを作成し実用化しました」と語る。現在では学生のみならず教員も利用する、同大学の重要なシステムになっている。
質問には日常的に学習支援システムを使用する研究室の学生が回答