クリスマス、サンタクロースにプレゼントをもらえるとしたら何をお願いしますか――そう訊いたとき、大谷翔平はこう言った。
「うーん、何ですかね……時間かな。結局は野球に使うんですけどね(笑)」
あれは、今から6年前のことだ。
あのときもWBCを控えていた。右足首を痛めて調整が遅れていたファイターズ(当時)の大谷は「このオフはやりたいことができなかったので、あと1カ月の時間が欲しいんです」と素直な想いを口にしていた。そもそも“時間”なるプレゼントにどんなラッピングをして、どんなリボンをかければいいのか、無茶なお願いをされるサンタクロースには同情したくもなるが、悪戯っ子の顔になった大谷はさらにおねだりを続けた。
「(サンタクロースに)もうひとつ、お願いしちゃおうかなぁ。僕、ある年のクリスマスに練習をしていたら、これだという閃きが降ってきたことがあったんです。もしあのとき、クリスマスだからって練習を休んでいたら、その閃きには出会えなかった。そう考えると練習を休む怖さってありますよね。もっと上手くなれたかもしれない可能性を自分で潰してしまうわけですから……」
いやはや、その“閃き”なるプレゼントをいったいどうやって靴下の中に入れればいいのか、サンタクロースもさぞ困り果てたことだろう。だからなのか、残念ながらその願いは聞き届けられず、大谷はそのとき、WBCには出られなかった。調整が間に合わず、出場を辞退せざるを得なかったのだ。そのとき、彼はこう話していた。
「選んでもらって本当に嬉しかったし、期待してもらっているのは伝わってきました。だからこそ、どうにか間に合わせられないものかと思ってやってきましたが間に合わず、申し訳ないなという気持ちが大きいです。サンタクロース、時間をくれなかったですね(苦笑)。刻々とここまできちゃいました」


