
「さわかみファンド」運用報告会に参加してわかったこと(前編)
さわかみ投信が毎年一回、「ファンド仲間」に長期投資の醍醐味を実感してもらおうと開催している「さわかみファンド」運用報告会。2018年は9月22日(土)に神奈川のパシフィコ横浜で開催されました。そこで、「初心者のための長期投資講座」を連載するSTART!編集部は、最近長期投資を始めたという担当ライターとともに、同イベントに潜入。そこで改めて感じ得た長期投資の魅力をふたりが振り返りました。
投資先の講演を聞いて企業の思いや最新の動向を知る
編集部 START!の連載で「長期投資の魅力」について取材してもらい、そのあとすぐに「さわかみファンド」の口座を開設してましたけど(笑)、運用報告会に一日参加してみてどうでした?
担当ライター 実は、僕自身が超初心者という立場だったため、とにかく自分が理解して、納得できる原稿に仕上げよう! と意気込んで取材に臨みました。取材させていただいた馬場千枝さんが書かれた「月1万円からできる 人生を変えるお金の育て方」を読んで予習していた時から、これまで持っていた投資に対するイメージが一新され、「今すぐ始めなきゃもったいない!」という気持ちで口座を開設したんです。だから仕事とはいえ、“ジブンゴト”として臨んだんですが、このタイミングで参加できたことで、何より長期投資へのモチベーションがアップしました。
編集部 当日の取材、すごい盛り上がってましたもんね(笑)。私も改めて「投資先」という視点で一日企業の講演やブースを回ってみて、新聞社という場所にいるにもかかわらず、改めて世の中にはいろいろと良い会社があるんだなあと、目から鱗状態でした(汗)。

担当ライター 14もの投資先企業が講演を行っていましたが、できれば全部聞きたいくらいでした。今回は「伊藤園」「サンバイオ」「ANA」の3社の講演を聞きましたが、それぞれとても興味深くて勉強になりましたね。最近、新聞の見出しなどでも良く目にする「ESG投資」に興味があったので、伊藤園の「伊藤園のCSR・ESGの取組みについて」はとてもタイムリー。他の2社もそれぞれ新たな発見や気付きがありました。
編集部 さすが投資家(笑)! 今世界的に関心が高まっている「ESG投資」っていうテーマはきっと会場を訪れた投資家の皆さんにとっても関心が高かったに違いない!
企業と社会との関係を知ることで、応援したいという気持ちが高まる
担当ライター 伊藤園の講演を聞いてハッとさせられたんですが、メーカーといえば、原材料を調達して、工場で商品を生産するっていうイメージを誰もが持ってると思いますが、茶産地育成のために、契約栽培を行って個々の茶農家の方々と関係を築いていたり、耕作放棄地などを利用して大規模な茶園で、畑づくりから茶葉を育成していると知って、なんだか一気に親近感が湧きました。

編集部 他にも茶殻をリサイクルして、競技場のフィールドに用いられるチップを作ったり、おなじみの「お~いお茶 新俳句大賞」を1989年から続けて、文化育成に貢献したりと、CSRに力を入れてることがよくわかったなあ。
担当ライター 最近CSRに変わる言葉でCSV(Creating Shared Value)という言葉をよく耳にするようになりましたが、「茶産地育成事業」なんてまさにそれで、これがないと本業が成り立たないということで、本業を活用し、財務・非財務ともに価値を創出するというCSVそのものですよね。
編集部 「ESG」は、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもので、ESGへ対応することが、持続可能な成長を行うための基軸であると強調されてたけど、さわかみ投信の澤上龍社長も以前、「ESGに優れた“良い企業”に投資をすることで企業価値の成長に伴うリターンを期待できる一方、企業は投資家行動に刺激されESGを意識した経営を行う(“良い企業”が増える)という相互関係が特徴。投資収益と社会問題解決の両立を図れる点は、さわかみ投信の長期投資に近い」って、コラムに書いてあったね。
担当ライター もともと長期投資を始める前から、さわかみ投信は社会全体を良くするような新しい商品やサービスに取り組む企業を応援しているということは知っていましたが、やはり時代的にもそういう風潮なんですね。僕も「投資家」として、すごく共感しました。
編集部 START!では、これまでの連載で長期投資の特徴や魅力についてじっくり伝えてきたけど、個人的に澤上社長の「企業の成長を支え、投資家と企業が『ともに歩んでいく』のが投資」という言葉がとても印象に残っているんだよね。

担当ライター そういう意味では、サンバイオはまさに、「ともに歩んでいく」っていうイメージがぴったりじゃなかったですか。社長の森さんの熱い思いがすごく伝わってきました。これまで全く治療薬が無かった慢性期脳梗塞や外傷性脳損傷に安全性・有効性が確認された「再生細胞薬」の実用化が、すぐそこまで来ていると知り、いろいろな企業があるけど、2001年からずっと一途に研究開発を続けているサンバイオ株式会社を応援したくなりました。
編集部 再生医療についてはよく目や耳にしていたけど、細胞を薬のように活用し、患者自身が本来持つ自然な再生プロセスを誘引ないし促進させることで、機能を再生させる効能が期待されているっていうのは初めて知ったよね。
担当ライター ANAホールディングスの講演は、飛行機マニアの自分としてはすごく楽しみにしていました。実際に話を伺い、ロケットエンジンへの投資も行っているんだと知って、「そのチャレンジ、俺が応援するぜ!」って密かにいま思っています。

投資家にとって一緒に歩むパートナーの「素顔」が見られる場
編集部 各講演の司会をさわかみ投信の担当者が務めていたのも、なんかよかったよね(笑)。実際に日ごろ接している企業に常に伴走している様子がすごく伝わってきたし。プロの司会者とは違って、なんだかその人の持ち味が感じられるのも好感を持てたかな。
担当ライター 確かに! 会場でもたくさんの社員の方が案内してましたよね。ANAの講演で進行役を務めた方が、「私も工場に行ったときに……」と話していたのを聞いて、「え、工場とかにも行ってるの?」って意外でした。それまで投資信託って金融機関の窓口で事務的に販売されているイメージがあったので、なるほど、企業に寄り添うってこういうことなのかってその一言でハッキリと理解できました。
編集部 投資先と良い関係を築くのって当たり前のことかもしれないけど、それを目の当たりにできる機会ってなかなかないので、それは大きな収穫だったかも。
担当ライター あと、メインイベント?ともいえる、さわかみ投信の取締役最高投資責任者の草刈貴弘氏による「さわかみファンド」第19期運用報告。実は本当に自分自身が初心者だったので、ついていけるかなあと心配だったんですが、すごくわかりやすかったです。

編集部 なんといっても投資の責任者の説明を目の前で聞けるっていうのは、やっぱり投資家の皆さんにとっては安心だし、説得力があるよね。信頼度もアップ!
担当ライター 草刈さんがプレゼンのなかで使った「Dip your toes」っていう言葉が気に入ってます。これこそさわかみファンドの長期投資の考えを端的に表しているような気がして。お風呂に入る際に、恐る恐るまずはつま先だけちょっと入れて温度を確かめるしぐさだって説明がありましたけど、投資もちょっと入金して様子を見ればいいんだと、敷居が下がります。リスクを抑えながらリターンを目指すって、初心者にはありがたい提案でした。
編集部 もちろん運用報告書は郵送で手元に届くんだけど、やはり生で聞くことでより「参加している感」はあったよね。会場も満席で、活気があり、こうした場に足を運ぶことで「こんなにたくさんのファンド仲間がいるんだ」って実感してなんだか、一層安心できたんじゃない?
担当ライター そうなんですけど、一方で、なんだかちょっと焦りも感じました。もう10年以上も前からやってますなんて話を聞いたので……笑 これからもっと社会を知るために、新聞もより真剣に読まなければと思いました(笑)。
※次回は、さわかみ投信のアナリストが解説付きで企業ブースを案内するアナリストツアーや、会場を訪れた「ファンド仲間」の皆さんの声を中心にお届けします。

留意事項
■投資信託は、値動きのある有価証券等に投資します。組入れた有価証券等の価格は、発行者の経営状況やそれに対する外部評価、外国為替相場等の変動による影響を受け、投資信託の基準価額は変動します。これらにより生じた利益および損失は、すべて受益者の皆様に帰属することとなります。また、元本および利息の保証はなく、預金保険の対象でもありません。したがって、投資された元本は、基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。投資信託は預貯金とは異なります。
■投資信託への投資に際しては、所定の手数料等が必要になります。さわかみファンドの場合は次の手数料等がかかります。【購入時手数料・信託財産留保額】ありません。【信託報酬】さわかみファンドの純資産総額に対して1.08%(税込・年率)です。【 その他費用・手数料】組入れ有価証券等の売買委託手数料およびこれにかかる消費税等相当額などの実費を投資信託財産より控除します。※売買委託先の手数料率が変更することがあるため実費の額は表示できません。
■投資にあたっては、必ず「投資信託説明書(交付目論見書)」をよくご覧いただき、ご自身でご判断ください。
お問い合わせは、さわかみ投信㈱まで。
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