
ファンド運用者の「長期投資」
前回のおさらい
―前回は「そもそも投資ってなに」という疑問が中心でした(前回はこちら)。
草刈 おさらいをすると、「まずは始めてみることが大事」「信頼できる運用会社と二人三脚でスタートすること」「始めるタイミングは自分次第」という話をしましたね。
―はい。そして何より、「投資を楽しもう」でしたね。
草刈 そうそう。何でもそうですが、これから知れば知るほど楽しくなりますよ。
―ところで、前回のインタビューの最後に、とても気になるキーワードを残して話を終えられましたね。運用会社には「運用のやり方に哲学や美学みたいなものがある」という…
草刈 哲学とか美学とか言うと仰々しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと、会社として「こういう方針で、ここだけはブレずに運用していこうよ」っていう、思いや理念が販売方法や運用方針に表れるんですよね。
―なるほど… 哲学とか美学とか抽象的なことは、数字がモノを言う投資の世界ではあまり関係ないと思っていましたが、違うんですね。まずはここから教えてください!

投資における哲学・美学とはなに?
―ズバリ、草刈さんが運用するさわかみファンドはどういう哲学や美学を持っているのでしょうか?
草刈 いくつかあります。まずは、直接販売、かつ独立系の運用会社という点ですね。
―投資信託の設定から販売までを一社で行っているんですよね。
草刈 その通りです!
―ただ、他にも直販、独立系の会社は複数ありますよね?
草刈 おっしゃる通りです。しかし形式が同じでも、運用方針には違いがあると考えています。例えば、「リターンは少なめでも、社会に貢献する会社を応援しよう!」とか「とにかくハイリターンを目指しましょう!」とか。
―社会貢献かリターンか…正直なところ、どちらもお願いしたいですね(笑)
草刈 そうですよね。まさにそこが私たちの哲学なんです。「良い会社も応援したいし、リターンもより多く出したい。両方を達成したい」と考えています。
―なるほど。でもそんなことが可能なんですか?
草刈 可能だと考えています。なぜなら弊社は、社会への責任を果たしていて、消費者から必要とされている「良い会社」に投資をしているからです!
―というと…?
草刈 難しく考える必要はありません。景気や一時的なトレンドで短期的に株価が落ちたとしても「良い会社」であれば、その会社の商品やサービスは社会に支持されるだろうということです。
―確かに。愛着がある企業が苦境に陥っていると、なんとなく応援したくなりますからね。
草刈 ともすれば、「良い会社」はいつか持ち直し、再び成長していくはずです。つまり浮き沈みはあっても、「良い会社」は長期的に見れば、株価が上がるはずだと私たちは考えています。
―さわかみファンドの場合は、腰を据えて「良い会社」を応援するということですね。確かに哲学や美学が詰まっています!

自分が「いいね!」と思えるストーリーを持ったファンドを買おう
草刈 ファンドには「売買回転率」っていうのがあるのはご存知ですか?
―回転率…? レストランで行列に並んでいる時にしか意識したことないですが…
草刈 つまりですね、預かり資産のうちどのくらいの割合を新たな投資に回しているかを示すのが「売買回転率」です。例えば1000億円のファンドを運用していて、500億円を次の投資に回していれば、売買回転率は50%です。
―なるほど
草刈 そして弊社のさわかみファンドの回転率は10%です。
―その数字は何を意味しているんですか? 回転率って高い方が儲かるんじゃ……
草刈 一般的にはそう捉えられるかもしれませんね。業界的には10%ですと、ほとんど売買していないくらいの割合です。私たちは投資先企業をずっとウォッチして、支えながらともに歩いていこうと考えているからです。
―他社はどのくらいの割合なのでしょうか?
草刈 回転率が200%とか500%というファンドもあります。効率よくリターンを出すことが、良いとか悪いという話では決してありません。ただ、企業に寄り添うという感じではないかもしれませんね。
―やみくもにリターンを追いかけるよりも、考え方に共感できるファンドを選ぶ…今後は「いいね!」と思えるストーリーを投資家がファンドにも求める時代になるんでしょうか。
草刈 そうかもしれません。「お金の使い方には性格や価値観が出る」と言いますが、投資も同じだと思います。

販売員自身も購入するファンドなら安心!
―考え方などに共感できるファンドが複数ある場合、個人投資家はどのように選べば良いのでしょう?
草刈 やはり運用方針は参考にしてもらいたいですね。分かりやすいところでは、運用会社が扱っているファンドの数に会社ごとの違いが見られます。
―ファンドの数?
草刈 例えば、大手の運用会社や保険会社は、様々な種類のファンドを取り揃えています。一方で弊社、さわかみ投信のファンドは「さわかみファンド」の1本のみなんですね。
―ふーむ。
草刈 「言われてみれば」という感じかもしれませんが、扱うファンド数の違いは結構重要なポイントなんですよ。
―どういうことでしょう?
草刈 私はファンドマネージャーとしては、さわかみ投信だけを運用しています。つまり、1ファンドに1ファンドマネージャーがつくという体制なんです。
―え、どの会社もそうではないんですか?
草刈 実は違うんですよ。会社によっては、ファンドマネージャー1人が複数のファンドを担当しています。そのため、担当しているファンド数が多いマネージャーほど、一つ一つのファンドにかけられる時間は限られがちです。
―確かにそう考えると、一つのファンドにマネージャーが付きっきりの会社の方が、安心して自分のお金を任せられますね。
草刈 「安心」という観点で付け加えれば、弊社の社員は毎月自分のファンドを積み立てている者もいます。実際に投資をしている商品をお客様におススメしたいですから。
―販売員も実際に購入しているのであれば、説得力がありますね。
草刈 ありがとうございます。結論を言うと、ファンドの選び方としては、「哲学や美学に共感できること」「きちんと責任を持った顔の見える運用者が運用していること」、この2点です!
―そして、そのようなファンドは「さわかみファンド」だということですね。本日はありがとうございました!
草刈 ぜひ購入してください(笑) ありがとうございました!

留意事項
■投資信託は、値動きのある有価証券等に投資します。組入れた有価証券等の価格は、発行者の経営状況やそれに対する外部評価、外国為替相場等の変動による影響を受け、投資信託の基準価額は変動します。これらにより生じた利益および損失は、すべて受益者の皆様に帰属することとなります。また、元本および利息の保証はなく、預金保険の対象でもありません。したがって、投資された元本は、基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。投資信託は預貯金とは異なります。
■投資信託への投資に際しては、所定の手数料等が必要になります。さわかみファンドの場合は次の手数料等がかかります。【購入時手数料・信託財産留保額】ありません。【信託報酬】さわかみファンドの純資産総額に対して1.08%(税込・年率)です。【 その他費用・手数料】組入れ有価証券等の売買委託手数料およびこれにかかる消費税等相当額などの実費を投資信託財産より控除します。※売買委託先の手数料率が変更することがあるため実費の額は表示できません。
■投資にあたっては、必ず「投資信託説明書(交付目論見書)」をよくご覧いただき、ご自身でご判断ください。
お問い合わせは、さわかみ投信㈱まで。
さわかみ投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第328号
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