住む場所それぞれの良さをみつけながら
大学進学で東京に出るまで、私はずっとここ丸亀で育ちました。学生時代、フジテレビのアナウンサーになってからは、東京の都心で暮らしていました。その後、広島、シンガポールで暮らし、今は、自分の出身地である丸亀に戻り、両親が建て、私が育った実家で暮らしています。
住まいを選ぶ際、一番大切にしてきたことは、日当たりがいいかどうか。それは、自分が育った家が、窓が大きく、たっぷりと日差しの入る家だったことが大きいと思います。育った家というのは、自分の中でいつの間にか、住まう場所を選ぶ基準になっているのかもしれません。
どんな場所でも、家でも、それぞれのメリット、デメリットがあると思います。何でもそろう東京の便利さはとても魅力的ですし、ホッとする田舎のおおらかさも大好きです。その時々、様々な事情で住まう場所が変わる際には、まずその土地のいいところを見つけるように心がけてきました。自分が暮らす場所は、好きでいるに越したことはないと思っています。
子育てを楽しみつつ丸亀に恩返しできたら
丸亀には、私の強い希望で戻ってきたわけではなく、夫の仕事の都合でこちらに住むことになりました。夫は、新たな土地に住むことが好きなので、香川になじんでいますし、私は、住み慣れた土地で、両親のそばで子育てできる環境をとてもありがたいと感じています。
現在は、私たち家族が私の育った実家に住み、両親がすぐそばに暮らしています。父が考えて建てた一軒家は、築年数は古いですが、私にとっては家のスタンダード。私と姉が使っていた部屋を、この先、自分の息子と娘が使うのだと思うと、少し不思議な気持ちです。
庭先には、小さな畑コーナーがあり、母と一緒に季節ごとに野菜を育てています。ブロッコリーや大根、春菊など採れたては、野菜の甘みが感じられておいしいんです。食べることにあまり興味を示さなかった息子も、自分が掘ってきた大根などは喜んで食べています。
田舎での暮らしは、近所の人が野菜を玄関先に置いていってくれたり、宅配の人や郵便配達の人などみんなが顔見知りだったりするので、子どもを育てるには安心です。自分が年頃の時は、それを嫌だと思っていたこともありますが、ご近所がみなさん見守りパトロールのようで、心強く感じています。
収録などで、今でも月に2〜3度は東京に行きます。コロナ禍の影響が大きいですが、打ち合わせなどがリモートでもできるようになったため、子どもを育てながらでも、どこに住んでいても、仕事ができる時代になったのだと実感しています。香川でのつながりも少しずつ増え、最近はこちらでの仕事も充実してきました。
実は私は、アナウンサー試験の際、面接官に覚えてもらうために「うどんが打てるアナウンサーになります」と自己PRしていました。そんなPRができたのも香川で生まれ、育ったからこそ。香川で育たなければ、アナウンサーになっていなかったと思うので、私を育ててくれた場所に、仕事を通して少しずつ、恩返しができたらと考えています。(談)

なかの・みなこ/1979年生まれ、香川県出身。慶應義塾大学卒業。2002年にフジテレビ入社。情報番組のキャスターからバラエティー番組の司会まで幅広く活躍し、12年にフジテレビを退社後フリーに。現在は出身地である丸亀で仕事と子育てを両立する。








