インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の価値の変動が激しくなっています。昨年末には、1ビットコイン=220万円まで急騰しましたが、17日朝は約2カ月ぶりに100万円を割り込みました。お金として使える店も増えてきたものの、不安定なビットコインは「貨幣」なのでしょうか。国家が管理を独占してきた貨幣の存在が、技術進歩で揺らいでいる現代。デジタル通貨や中央銀行、国家の関係を、貨幣論で知られる経済学者の岩井克人さんに聞きました。

 ――ビットコインは、1年前の1コイン=10万円程度から年末に200万円超に急騰後、下落するなど乱高下しています。新しい「貨幣」と言えるのでしょうか。

 「2009年の登場以来、ひょっとしたら貨幣になるかもしれないと考えてきました。しかし、この1年で考えが変わりました。もはや、貨幣になる可能性は極めて小さくなってしまった。最初は麻薬の地下取引などで利用が広がったため、そのまま静かに一般取引でも利用が広がれば貨幣になる、というシナリオも描いていました。しかし、逆説的ですが、人々が『貨幣になるかもしれない』と期待と興奮の中で値上がりを目的に買い始めたことが、逆に貨幣になる可能性を殺しています。13年のキプロス危機の際などにはビットコインへの資金逃避もみられましたが、これだけ値動きが激しいと逃避先にもなりにくくなる」