■為末大さん(元陸上選手)

 「上意下達」「個人より組織が優先」「気合と根性」を大切にする、いわゆる体育会的な空気が、社会と合っていた時代があったと思います。終身雇用の組織は組織も個人も守るけど、ともすれば仲間を守り切ることが何より優先されるムラ的な世界です。

 日本のスポーツは、ある意味の社会人養成機関でした。だから、体育会はよかれと思って、ものすごく機能した時代がありました。

 でもいまは、パワハラに繊細になり、イノベーションや自立が必要と言われている。「なぜ、悪者扱いされているんだろう」と、運動部出身の方たちが一番、世の中の流れに戸惑いを覚えているのかもしれません。