目の前は、空と地上との境界がわからないほど真っ白な世界が一面に広がっていた。

 7日午前7時ごろ、通行止めの国道8号を迂回(うかい)し、福井県あわら市の県道周辺の光景を見た。点在する住宅は、1階の半分くらいまで雪に埋もれていた。他は雪のじゅうたんがぎっしり。田畑か道路か、駐車場か。大阪出身で土地勘のない私には見当もつかない。

 福井市内に向かう主要な県道はある程度除雪され、車道と歩道の間に積み上げられた雪が巨大な壁となり、歩行者の姿が見えない。車はゆっくり進んだが、路上の雪の塊に乗り上げると、車体は身体が浮き上がるほど上下左右に大きく揺れた。

交差点で雪にはまって動けなくなった車=7日午前9時34分、福井市、辻村周次郎撮影

 道路脇には、大型トラックがあちこちで立ち往生。屋外駐車場の車は雪にすっぽり包まれ、巨大な蚕の繭が並んでいるようだ。

 車の窓越しにみると、除雪作業の住民たちの姿がある一方、完全に玄関が開かないほど雪に埋もれている民家もある。高齢者が除雪できる積雪量ではない。自然の脅威をまざまざと見せつけられる光景だった。

 福井市のえちぜん鉄道職員の鈴木和緒(かずお)さん(66)は7日午前8時半から、自宅前の除雪作業をしていた。高齢の母と妻と3人暮らし。「子ども3人は県外にいるから除雪作業は1人でやるしかない。(最大196センチの積雪を記録した1981年の)『56豪雪』も経験したが、それ以来の雪の量だ」と驚いていた。

雪で駐車場が埋もれたマンガ喫茶=7日午前9時36分、福井市、辻村周次郎撮影

 「福井の国道で1千台の車が立ち往生している」との一報で、私は6日午後2時、大阪市内を四輪駆動車で出発した。同日夕には福井県鯖江市の北陸自動車道の鯖江インターチェンジを降り、国道や県道を通って福井市内を北上し、あわら市にたどり着いた。

 福井市内は車が流れず、約20キロの道のりを進むのに3時間半。北陸道を降りた直後の国道8号では、30分ほど車が前に進まず、「立ち往生してしまったのではないか」とひやひやした。

 福井市内のコンビニエンスストアにも立ち寄ったが、パンやおにぎりといった食料品はほぼ完売。ガソリンスタンドではタンクローリーが来ないため、1台につき給油は20リットルまでという制限を設けていた。(辻村周次郎)