台湾の中央気象局によると、6日午後11時50分(日本時間7日午前0時50分)ごろ、台湾東部・花蓮県の沿岸を震源とするマグニチュード6・0の地震があった。花蓮市内のホテルなどが倒れ、台湾メディアによると、少なくとも4人が死亡、200人以上が負傷、2人が建物内に閉じ込められている。安否が確認できない人がほかに140人以上おり、被害はさらに大きくなる可能性がある。

 台北市にある日本台湾交流協会台北事務所によると、負傷者には日本人2人が含まれ、病院で治療を受けているという。けがの程度は不明。

 台湾当局によると、花蓮市では市街地の少なくとも四つの建物が倒壊したり、傾いたりした。道路や橋にも亀裂が入り、交通網が寸断されている。

 地元メディアによると、11階建てのホテル「統帥大飯店」は1~3階の部分が押しつぶされ、建物全体が傾いた。60歳の女性が死亡した。周辺の道路には外壁やガラスの破片が散乱している。ホテルには日本人の団体を含め100人以上が宿泊していたが、多くは消防などの誘導で救助された。だが、下の階にいた従業員ら少なくとも2人が閉じ込められている模様だ。

 また、店舗と住宅が入るビル「雲門翠堤」も低層部分が崩れて傾き、2人が死亡した。連絡がつかない住民らがまだ約140人おり、約20人が閉じ込められているとの情報もある。余震が続く中、ビルの地下部分から出火しており、救助作業は難航している。このほかに66歳の男性1人も死亡した。

 台湾の東海岸沿いに位置する花蓮県は、切り立った岩などで知られる太魯閣(タロコ)渓谷があり、日本人も多く訪れる観光地。ガイドをしている花蓮県の播磨憲治さん(57)は、地震の被害にあった統帥大飯店に宿泊していた日本人のうち、粉じんを吸い込んだ7人を病院に連れて行った。

 7人は20代ぐらいの夫婦と、60~70代の男女。同じツアーの参加者で、5階に宿泊していた。「火災かと思うぐらい粉じんがひどかった。非常口を探してようやく見つけ、下を見たら消防車が来ていた。はしごで救出された」と播磨さんに話していたという。

 花蓮市の中心街で日本料理店を経営する溝渕剛さん(48)は、自宅2階のベッドで寝ようとしたところ、下から突き上げるような揺れに襲われた。部屋のテレビやタンスは倒れ、足の踏み場もない状態になった。

 統帥大飯店は自宅から約300メートルにあり、溝渕さんはこのホテルの風呂に毎日通っていた。地震の2時間ほど前にも子ども3人を連れて風呂に入ってきたばかり。「そのホテルがつぶれたと聞いて本当にびっくりしている」と話した。

 台湾の行政院(内閣)は7日未明、緊急の中央災害対策センターを立ち上げた。頼清徳(ライチントー)行政院長(首相)は「全力で救助に当たる。食料、衣料品などの確保が重要だ」などと語った。警察、消防のほか、軍も出動して、救助・救援にあたっている。

 花蓮県付近では、今月4日夜にもマグニチュード5・8の地震があり、その後も小さな揺れが続いていた。中央気象局によると、体に感じる地震は計94回確認されていたという。今回の地震は、花蓮から直線距離で100キロ以上離れた台北市でも揺れが確認された。その後も余震が続いている。

 台湾では、2016年2月6日にも、南部でマグニチュード6・4の地震が発生。台南市でマンションが倒壊するなどして100人以上が亡くなっている。(西本秀=台北、大津智義、青木美希)