川内商工高校(薩摩川内市)のバレーボール部の顧問の男性教諭から体罰を受け、元男子部員(19)が鹿児島県に賠償請求を求めた訴訟が、今年3月に和解した。しかし、体罰をして処分を受けた顧問は昨春、元部員に知らされないうちに部活の指導に復帰していた。部の「成績」を求める保護者が強く要望したといい、「勝利至上主義」が体罰の再発につながらないか、和解後も不安が残っている。

 同校のバレー部は、県大会で上位争い常連の強豪校。奄美市出身の元部員は、全国大会出場をめざして2014年に入学した。

 和解条項によると、男性教諭は15年4月に元部員のほおを平手打ちして口内出血などのけがを負わせた。同年10月には運動中にけがを負った元部員に「痛い痛いと言ってあまちゃんが」と暴言を吐き、治療を受けさせなかった。

 元部員は昨年1月に県を提訴。県庁で会見した元部員は、体罰が常態化し、食事がのどを通らずに体重が7キロ減ったことや、死にたいと思ったことなど在学中の苦悩を語り、「二度と同じような思いをする生徒を出したくない」と考えての訴訟だったと強調した。

 その教諭は16年2月に減給6カ月の処分を受け、昨年4月には「第2顧問」として部活に復帰した。