大阪府北部を震源とする地震で、大阪府内で約11万2千戸が供給停止となった都市ガスが、地震から7日で復旧した。1995年の阪神・淡路大震災以降の多くの災害を教訓にした対策が生き、停止の範囲を小さくできた一方、災害直後にホームページ(HP)がつながりにくくなるなど新たな課題も見つかった。

 ガスの復旧作業は、居住者が不在で開栓作業ができない約1万2千戸(25日午後6時時点)をのぞいて「全面復旧」した。全国のガス会社16社に加え、関西電力などから計2700人の応援を得て、当初「26~30日」としていた見込みを前倒しできた。

ガスの復旧作業前に打ち合わせする作業者ら。約2700人が応援に駆けつけた=大阪府吹田市

 大阪ガスの本荘武宏社長は25日、本社で会見し「全国からの応援で一気に供給を進められた」とあんどした様子で話した。

 地震後、電気は約3時間で復旧したが、ガスの復旧には時間がかかる。ガス漏れによる火災などの恐れから、一定の強い揺れに達すると自動的に供給停止させる業界の指針があり、復旧には道路下のガス導管の点検・修理や各家庭を訪問してガス機器をチェックする開栓作業が必要になるためだ。

 多数の応援が素早く集まったのは、過去の震災での教訓だ。阪神大震災以降、大ガスが地震計の数を管内34カ所から259カ所に増やしたことで、各地域の震度を細かくみることができ、供給停止地区も狭めることができた。

ガスの復旧作業前の打ち合わせ。約2700人の応援者がそれぞれの作業服で復旧にあたった=大阪府吹田市

 また、柔軟性があって地震の揺れに強いポリエチレン製の導管を阪神大震災当時の約1200キロから、約1万6千キロに拡大。被災地域でも8割超で導入されており、被害の広がりを食い止めた。

 一方、開栓作業が居住者の不在でできていない戸数が1割に上り、完全復旧の見通しはまだ立たない。単身世帯が多い都市部での地震で、隣人の状況が分からないケースも多く、最初の訪問で接触できたのは全体の8割程度。接触率を高める手法には、検討の余地がありそうだ。

 また、大ガスのHPへのアクセスが殺到し、つながりにくい状態が発生後半日ほど続いたこともあった。2016年の熊本地震の教訓を踏まえ、サーバーを増強したばかりだったが、実際には想定の2倍以上の1650万件が殺到した。本荘社長は「教訓を踏まえて、対処すべきことを直していきたい」と話した。(西尾邦明)