■食事に連れ出し「俺の女にしてやる」

 文芸評論家として知られる早稲田大学文学学術院の渡部直己(わたなべなおみ)教授(66)から、セクハラやパワハラ被害を受けたとして、元大学院生の女性(27)が早大側に被害を申し立てたことが分かった。早大は調査委員会を設置し、「事実確認を踏まえ、厳正に対処する」としている。渡部氏は辞表を提出した。

 申立書によると、女性は2016年4月に現代文芸コースに入学。昨年4月、指導教員だった渡部氏から指導の名目で呼び出され、大学近くの店に2人での食事に連れ出された。その席で「俺の女にしてやる」などと言われた。それ以外の場面でも、足元をじろじろ見られ、頭や肩を触られるなどしたという。

 女性は別の男性教授に相談したが、「大したことない」と言われたほか、相談窓口などに行かないよう「何度も口止め」されたという。女性は精神的な苦痛から大学に通えなくなり、今春に退学。6月に被害を申し立てた。

 渡部氏は朝日新聞の取材に「教育熱と恋愛感情をときどき間違えてしまう。相手の気持ちを考えられなかったことは、教育者として万死に値する。本当に申し訳ない」と話した。具体的なやり取りの有無は「弁護士と大学に問い合わせてほしい」とした。

 口止めしたとされた教授は取材に「広報課に問い合わせていただきたい」と回答。早大広報課は「個別の取材並びに質問への回答は差し控える」としている。

 女性は「渡部氏らの厳しい処分を望んでいる。ハラスメント被害を訴えにくい大学組織の空気にも問題がある」と話した。(土居新平)