2014年5月。ツイッターに投稿された1枚の写真が話題になった。栃木県小山駅構内を歩く天皇、皇后両陛下が笑顔を向けている。女子高校生がスマートフォンで撮影したとされる写真だが、次々にリツイート(転載)され、「非常識な行動」「ネットに軽々しくアップするべきではない」などと批判的なコメントが殺到し「炎上」状態となった。

 それから4年余。皇室の方々がスマートフォンやカメラを向けられる光景は変わらず各地で見られ、写真がネット上に投稿されても批判があがることはまれになった。

 「はぴばー!」。12月の天皇陛下の誕生日前後には、ツイッターに10代20代の若い世代によるお祝いの投稿があふれる。陛下の写真を模様や絵文字などでコラージュした画像もある。こうした投稿には不謹慎だとの見方もあるが、「今の陛下は身近な雰囲気。ツイートも許されるのかなって」(18歳女性)、「これはこれで新しい敬愛、尊敬の形だと思う」(23歳女性)――。若者たちは皇室への関心をそれぞれの形で表現しているようだ。

 象徴天皇制を研究する河西秀哉・神戸女学院大准教授(日本近現代史)は「露出を控えて神秘性や権威を保ってきた戦前の時代と異なり、現在の皇室は国民の前に姿を現す『開かれた皇室』を目指し、世間との垣根を低くしてきた」と指摘。ネットやSNSなど新しいメディアの発展と相まって「皇室が消費される存在になりつつある」とみる。

 SNS時代にどう向き合うか。皇室がSNSを使うことには「存在が軽くなる」「バッシングの対象になる」などの消極的な意見が根強い。古川隆久・日本大教授(日本近現代史)は「皇室のプライバシーがあまりに露出されれば、皇族の方々が心の健康を崩してしまう事態になりかねない」とも危惧する。だが、海外の王室では積極的に利用する動きもある。