国土地理院(茨城県つくば市)は7月の西日本豪雨の直後に初めて、被災地の浸水範囲と水深を示した「浸水推定段彩図」を作って発表した。被害の全体像をいち早く示して災害対応に生かしてもらうためで、作製にはツイッターなどに一般の人が投稿した画像が活用された。

 国土地理院によると、作ったのは岡山県倉敷市真備町周辺。浸水の深さは最新データで最大約6メートルあった。小田川などの堤防決壊が確認された7月7日から作業を始め、10日に発表した。このほか、愛媛県大洲市でも作った。

浸水推定段彩図を作製した吉田一希さん=茨城県つくば市の国土地理院

 浸水範囲の確定に必要なのは、浸水がどこまで広がったかがわかる水際の位置。決壊現場や浸水の激しい市街地の様子は国土交通省のヘリコプターから撮影した映像でわかったが、水際の状況がわかる画像は限られた。「そこでツイッターなどに投稿された写真や動画を収集した」と担当した吉田一希さん(28)は話す。

 100枚近い投稿画像で途中まで水につかっている坂道や一部が水につかった駐車場などを発見。こうした画像から町内約20カ所の水際の位置を特定した。5メートル四方で全国の市街地の標高がわかっているため、特定できた地点より低い所は浸水していると推定した。

 倉敷市防災危機管理室などが災害対策の参考にするなど、関係者の間で役立った。国土地理院の沼田佳典地理調査課長は「撮った人も自分の画像がこんなことに役立ったとは気づいていないと思う」という。今後もツイッターの画像を活用したいというが、「あえて撮ってもらう必要はありません。避難を優先してほしい」と話している。(三嶋伸一)