JASRACが映画業界に外国映画の上映権使用料の値上げを求めてきた問題が、ひとまず決着した。1本18万円の定額制をやめようと2011年に交渉に入ってから7年。JASRACが求めていた「興行収入の1~2%」には届かなかったが、公開規模に応じた定額制を映画業界が提示し、双方が譲歩した形で落ち着いた。徴収強化の動きが目立つJASRACには、ネットユーザーを中心に不信感も強く、「カスラック」とやゆされることもあるが、背後には「外圧」の影もちらつく。双方はどんな思いだったのか。

 著作権法は、映画を上映する際、映画の中に録音された音楽の再生には、作曲家・作詞家の許可が必要と定めている。この規定を根拠に、JASRACは映画業界から「上映使用料」を徴収してきた。

 邦画の場合は、上映スクリーンの数に応じて使用料を計算している。一方、外国映画は映画館が加盟する「全国興行生活衛生同業組合連合会」(全興連)との契約で、1本につき18万円を映画配給会社が支払っている。邦画と異なり、どれほどヒットしても定額だ。

映画館でつくる業界団体は、娯楽産業の営業利益率は3・52%に過ぎないとして、興行収入に応じた歩合制への移行に反対していた。写真は3月に開業したTOHOシネマズ日比谷=東京都千代田区

 JASRACが値上げを求めてきたのは、欧州諸国に比べて「我が国はあまりに低い」(浅石道夫理事長)という理由からだ。欧州の多くの国は使用料を興収の1~6%と規定しており、フランスや英国、ドイツ、イタリアの徴収額は13億~23億円にのぼる。