戦前の台湾で現地の小学生を教え、110歳となった現在でも教え子らとの交流が続く熊本県玉名市溝上の高木波恵さんの自宅を8日、台北駐福岡経済文化弁事処の陳忠正(チンチュウセイ)処長(55)、婉蘋(ワンピン)さん(50)夫婦が表敬のため訪れた。

 陳処長は10月、福岡市にある台湾の総領事館にあたる組織のトップとして着任。前任者から高木さんの話を聞き、この日の訪問となった。高木さんは寝たきりの生活だが、陳処長が台湾語であいさつすると、高木さんははっきりした口調で返事。世話をする長女の恵子さん(79)が「台湾の国歌も歌えるんですよ」と話し、陳処長夫婦らと一緒に歌った。

 高木さんは警察官だった父親について、日本統治下の台湾に行き、教師として約10年間、小学生に教えた。2015年には、80~90代となった教え子とインターネットを通じて対話したほか、教え子の子どもたちが高木さんを訪問するなどの交流が続いている。

 陳処長は「日本と台湾の民間交流の理想型。教えてくれた日本の勤勉さやまじめさを台湾の生徒は忘れていない。(高木さんが)元気で安心しました」と話し、高木さんの手を握って再訪を約束した。(尾立史仁)