■トヨタの未来都市③(全5回)

 トヨタ自動車が静岡県裾野市につくると発表した「Woven(ウーブン) City(シティ)(編まれた街)」の特徴を掘り下げたい。名前の由来は、三つの道が「網の目」のように交差する街の設計からきている。

 自動運転の車だけの道、速度が遅い個人用の乗り物と歩行者が混在する道、公園のような歩行者だけの道の3種類で、住民は都合に合わせてこれらの道を使い分ける。

 住民は、その移動記録や健康の数値などをビッグデータとしてトヨタ側に提供するとみられる。技術者や研究者は、自動運転や効率的な輸送サービス、住宅、ロボットなどの技術を街の中で試しながら実験でき、うまくいけば新たなビジネスモデルを確立できる。

 関係者によると、当面は東富士工場を中心にした約34ヘクタールを先行開発する方針だという。将来は、隣接するトヨタの東富士研究所の敷地も合わせて東京ディズニーランドの約1.5倍、明治神宮とほぼ同じ約70.8ヘクタールを新しい街につくり替える。工場は2020年末の閉鎖が公表されており、豊田章男社長は20年1月の発表時に「来年の今頃に着工です」と明言した。

 街中での交通手段や広場での移動店舗となるのが、トヨタが18年に発表したバス型の自動運転車「eパレット」だ。今年1月のプレゼンでの動画や画像には、19年の東京モーターショーで発表したAI搭載車「LQ」や、17年発表の小型電気自動車「i―TRIL」に似た車両のほか、小型配送ロボ「マイクロパレット」や配送ドローン、トヨタが出資する「空飛ぶ車」も映っている。トヨタの先端技術をつぎ込むような内容だ。