盗難あっても「日本はいい国」 息子が継いだ無人販売所
臼井昭仁
2020年5月18日07時30分
市街地ではまず見かけることがない無人販売所が名古屋市の住宅街の一角にある。旬の野菜と果物を24時間365日並べている。無人だから盗難、ごまかしの被害はある。でも昨年急死した店主はこう語っていた。「日本はいい国だよ」。志を継ぎ、今は息子が店を続けている。
「無人販売所」「安全安心 県内産」。粘着テープで記した看板が、名古屋市天白区荒池2丁目の道路から見える。幅10メートルほどの木製の棚に並んでいたのはタマネギ、里芋、水菜などで1袋100円。イチゴは1パック300円(いずれも税込み)。
4月下旬のある日の午後、客は去ってはやって来る。3個入り200円のトマトを買った愛知県日進市の30代の主婦は、「2年前に知った。物がいいし、(新型コロナウイルスの感染を考えると)人に会わずに買えるので今はよく来ます」。
棚の横には木製の引き出しがある。上部に穴があり、買い物客はそこに代金を入れる。小さく「正直者でありたい」と書かれていた。
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