消費を喚起するための「Go To キャンペーン」が22日から始まる。政府は、感染防止策を徹底しながら経済活動を拡大していくというが、東京や大阪など、大都市圏を中心に感染者数が急増している。本当にこのタイミングでのキャンペーンが必要なのか。感染症のみならず、経済や社会の専門家からも疑問の声があがっている。

■「医療崩壊」の恐れ

 「感染症対策の観点からは、現状では、キャンペーン自体を延期した方がいい」。公衆衛生学が専門の新潟大の斎藤玲子教授は、こう断言する。

 人口に占める感染者の割合が高く、人口も多い首都圏の人が全国各地に観光に出かけることで、3~4月のような規模の感染者が出る恐れがあると心配している。「米国の例を見ても、感染を防ぐことと経済を回すことは、両立しないと思います」

 感染制御学を専門とする順天堂大の堀賢教授も「Go Toキャンペーンをこのまま何も対策をとらずに始めることは、感染拡大を促進してしまう危険がある」と指摘する。感染が拡大している地域から、おさまっている地域への移動は、避ける配慮が必要という。「地方は医療体制は脆弱(ぜいじゃく)なことが多く、医療崩壊につながりかねません」

 ただ、経済を活性化させ、新型コロナと共生していくために、観光自体を否定はしないという。旅行中も、3密の回避や手指消毒、人との距離を保つことなど、感染リスクを減らすための対策をとることが大切と強調する。

■「自分は感染しない」と思う人が利用

 行動経済学を専門とする東北学院大の佐々木周作准教授も、消費者側から経済を活性化させることは重要で、キャンペーンの構想には反対ではないという。「ただ、感染者数が落ち着いてから実施すべきです」