新型コロナウイルス対策の一環として観光業を支援する「Go To トラベル」事業をめぐり、政府は20日、対象から東京を除外したことで生じる旅行のキャンセル料を補償する方針を固めた。政府は当初、補償しないと表明していたが、与野党などから批判が相次ぎ、急きょ方針転換に追い込まれた。

 菅義偉官房長官は20日の記者会見で、キャンセル料について、国土交通省が予約状況などの実態把握を進めていると説明。「利用者への対応など必要な対応を早急に行っていきたい」と述べた。また、政府高官も同日、「政府の判断で影響を受ける人がいる。補償は当然だ」と語った。

 政府は、キャンペーンが始まる22日までに具体策を発表する方向で調整。事業開始の前倒しを発表した7月10日から、東京を除外することになった16日までに旅行を予約した人のキャンセル料を補償する方向で検討している。キャンセル料は「Go To トラベル」の総予算1兆3500億円から捻出する考えで、利用者が旅行業者や宿泊業者を通じて支払ったキャンセル料金を申し出てもらい、事後的に補償することを想定している。

 今回の支援策をめぐっては、政府は16日、東京都で感染者が再び増加したことなどを受け、全国一律の実施から都内への旅行や都民は対象外とすることを決定。除外を理由にしたキャンセル料の補償について赤羽一嘉国交相は17日の会見で「考えていない」と否定し、菅氏も「特別の対応を行わず、旅行会社にご判断いただく」と述べていた。

 これに対し、野党だけでなく、与党内からも「キャンセル代は国が考えていかなくてはいけない」(公明党の石田祝稔政調会長)との声があがっていた。(安倍龍太郎、高橋尚之)