雇い主が働き手に最低限払うべき時給「最低賃金」(最賃)の今年の引き上げ幅の目安について、厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は20日に大詰めの議論に臨んだが、決着には至らなかった。新型コロナウイルスの影響で引き上げ凍結を主張する経営側と、着実な引き上げを求める労働側の隔たりが大きく、次回21日夕からの会合で引き続き協議する。

 最賃は地域別に異なり、今は最も低い青森、島根、高知、鹿児島など15県が790円、最も高い東京が1013円で、全国加重平均では901円。労使代表らで作る審議会が例年、夏に引き上げ額の目安を示す。この目安を参考に、都道府県ごとに引き上げ額が決まり、秋以降に改定される。

 安倍晋三首相は2015年、デフレ脱却に向けて年3%のペースで引き上げ、早期に全国加重平均1千円を目指すと表明。以降は毎年、「3%」の引き上げ目安が示され、実際に引き上げられてきた。しかし、今年は新型コロナで企業の経営が厳しいため、政府も3%にはこだわらない姿勢だ。

 審議会は、過去の不況時は引き上げ額の目安を示さなかったこともある。