あおり運転の厳罰化後に全国で初めて道路交通法違反(妨害運転)容疑で逮捕され、同法違反や暴行、脅迫などの罪に問われた元派遣社員三浦貴正被告(47)の公判が17日、大分地裁(有賀貞博裁判官)であり、検察側は懲役2年6カ月を求刑した。三浦被告は「相手がルール違反をしており危険だと思いやってしまった」と動機を語った。

 三浦被告は7月10日夜、大分県別府市内の国道で、20代男性の乗用車の後方から軽乗用車で急接近。クラクションを鳴らし続け、約3キロ走行した後、乗用車の前に割り込んで衝突させ、男性に暴行を加え「包丁で刺すぞ」と脅したとされる。

 被告人質問で、三浦被告は、被害車両が無灯火だったことを「異常だと思い怒りがわいた」と述べた。また、男性が信号待ちの時にスマートフォンを触るのを見て、「(相手が)制限速度を下回って走っていたので、(運転中も)スマホを触っているのかなと思った」ほか、あおり運転をしても被害車両が車線を変更しなかったことを「(こちらの気持ちを)逆なでしていると感じた」と話した。

 弁護側が「今後は見て見ぬふりをした方がいいのでは」と言うと、三浦被告は「そう思う」と答えた。

 検察側は「あなたの方が危険な行為ではないか」とただし、三浦被告の怒りの感情が根深いと指摘。「今まで怒りを抑える努力はしてこなかったのか」と聞くと、三浦被告は「生まれながらの性格で、諦めた部分があった」と答えた。

 検察側は論告で、「被害者にも落ち度があるかのように述べるが、危険な運転を正当化する理由にはならない。自己のいらだちを周囲にぶつけただけで、身勝手な動機や経緯に酌むべき余地はない」と述べた。弁護側は、三浦被告が、被害者に車の修理代など約22万円を払い、今後は二度と車の運転をしないと約束していることなどを挙げ、執行猶予付き判決を求めた。

 判決は12月1日に言い渡される。(倉富竜太)