61次南極観測隊越冬隊28人と62次夏隊13人を乗せた観測船しらせ(基準排水量1万2650トン、竹内周作艦長)が22日、神奈川県横須賀市の横須賀港に帰港した。新型コロナ感染予防のため、1956年に始まった南極観測史上初めて無補給・無寄港で南極を往復した。

 例年は豪州に寄って燃料や食料を補給でき、観測隊員は日本と豪州間は空路で往復する。だが、今回は寄港なし。しらせは昨年11月20日に横須賀を出発し、燃料節約のため行動日数を例年の6割の95日間に短縮して、往復約3万キロを走った。万一に備え、出発前に初めて洋上での燃料補給の訓練もしていた。

 最も燃料を使うのは砕氷航行だ。衛星画像などで調べて最適な航路を選び、燃料計算をして臨んだが、「氷は生き物。量や質、実際の状況は現場で初めてわかる」と竹内艦長。1年前より氷海は広がっていたが、無事に抜けた時「心の中でガッツポーズをしました」と話す。

 62次隊の橋田元隊長は「世界が大きく変わった中でも入念に準備して、60年余り続く観測を無事に引き継ぐことができた」と語った。(中山由美