月周回旅行の同乗者8人の募集を発表した、衣料品販売サイト「ZOZO」元社長で実業家の前沢友作氏(45)が乗る予定の大型宇宙船スターシップの試験機が3日(日本時間4日)、高度10キロまでの無人飛行と着陸に成功した。着陸は過去2回とも失敗して爆発していたが、初めて成功させた。ただ、機体は着陸の約10分後に突如爆発、炎上した。消え残っていた炎が原因とみられる。

 開発元の米宇宙企業スペースXは、米テキサス州ボカチカの打ち上げ場で、試験機「SN10」の3度目の上昇試験に挑んだ。SN10は3基のエンジンに点火して高度約10キロまで上昇。しばらく空中で静止したのち、エンジンを止めて機体を横にしながら自由降下した。そして、地面の近くで再びエンジンに点火し、機体を立て直してゆっくりと着陸した。もうもうと上がる砂煙が晴れ、銀色の機体が現れて着陸成功が確認されると、見学していた人たちからは大きな歓声が上がった。

 過去2回の試験では、着陸するタイミングでエンジン1基が点火しなかったり、正常に噴射しなかったりして地面に激突し、爆発していた。スペースXは「三度目の正直ということわざの通り、着陸に成功した。おめでとう。有人飛行の未来に向けて、刺激的な時間が続く」とコメントした。

 ところが、着陸の約10分後、機体は突如、爆発炎上した。原因は不明だが、公開されている動画では、着陸してからもエンジンのある機体下部に炎が残っており、遠隔で放水されていた。イーロン・マスクCEOは「無事に着陸はした。チームは素晴らしい仕事をしている。いつかスターシップの飛行が当たり前になる日が来るだろう。SN10よ、安らかに眠れ」とツイッターに投稿した。

 スターシップは直径9メートル、全長50メートルとなるステンレス製の再使用型宇宙船。前沢氏が契約した2023年の月周回旅行に使われるほか、米国が目指す半世紀ぶりの有人月着陸機にも採用される可能性がある。最大で100人が乗れるようにするといい、最終的には火星との往復を目指している。スペースXは、年内に無人で宇宙まで試験飛行させる計画だ。(石倉徹也