三日月、上弦の月、十三夜、満月……。高架橋のたもとに様々な月が浮かび上がる一風変わった展覧会が横浜市で開かれている。企画したのは、元ひきこもりの現代美術家。新型コロナで社会的孤立が課題となる今、孤立を感じている人たちに呼びかけて撮影してもらった月の写真は、何を映し出すのか。

 「なぜここに月が?」

 2月末、夕暮れの横浜市西区。国道16号沿いにある廃線となった鉄道の高架下で、道行く人が足を止め、月を眺めていた。直径3.3メートルの円形スクリーンに投影された月が、15秒ごとに姿と形を変えていく。

 「どこかで同じ月を見ている人がいる。竹取物語もそうだが、月は古来、他者を思い、想像する媒介だったと思う」

 制作者であり、この高架下のアトリエで展覧会「同じ月を見た日」を企画した現代美術家の渡辺篤さん(42)はそう話す。