緊急事態宣言が6月20日まで延長されたが、国民の間には「コロナ疲れ」の色が濃い。対策への協力が得にくくなる中、感染制御学が専門の堀賢・順天堂大教授は「心に響く政府のメッセージ」が重要だと指摘する。同時に問題視するのは、菅義偉首相の「答えない」姿勢だ。

 ――今回の宣言延長をどう考えますか?

 従来株と比べて感染力が強い変異株が広がり、感染者数が減少するペースはゆっくりです。

 そして、医療提供体制にまだ余裕がありません。

 この状況では宣言を解除することはできず、延長はやむを得ないでしょう

 ――東京都など4都府県は、「再延長」になります。

 そもそも最初の宣言時に設定された、2週間あまりの期間は短すぎました。

 新型コロナウイルスの流行に対して、宣言などの「介入策」の効果が表れるのは、2週間とか3週間とかが経ってからです。

 そこで効果を見てはじめて、終わりをどうするかという議論ができるようになる。

 しかし、政府はそうはしなかった。