リニア中央新幹線の開業の時期が、見通せない状態になっている。JR東海は2027年に東京・品川―名古屋間で運行を始める計画だったが、工事による環境への影響を懸念する静岡県との対話が進まず、県内で着工できないためだ。開業をどれだけ延期するかも決められないまま、総事業費は約10.5兆円にふくらむ見通しになっている。

 26日午後、東京・霞が関で開かれた国土交通省の有識者会議。出席した難波喬司・静岡県副知事はJR東海について「自分たちの論理、説明をしていて、住民、県民からはまったく理解できない」と批判した。

 有識者会議は、リニアの工事で静岡県内を流れる大井川の水量がどれだけ減るか1年半ほど議論してきた。すでに中間報告案として、一定の条件下で「中下流域は維持される」との意見もまとめている。JR東海の主張に沿い、着工を後押しする内容だ。

 静岡県はこの意見を「全否定するものではない」(難波副知事)としつつ、活用したデータの信頼性などに疑問を示す。生態系への影響にも懸念が残ると主張する。

■停車駅ない静岡県、メリット乏しく