パナソニックが7~8月に募集した早期退職に、1千人超の社員が応募していたことがわかった。同社は人員削減が目的ではなく、来春の組織改革に伴い給与が下がる人が出る可能性があることなどを踏まえ、社員に選択肢を示したとしている。

 ただ、楠見雄規社長は1日の会見で「パナが大きく変わっていくという説明が不十分だった。もう少ししっかりと説明ができていれば、活躍を期待していた人まで退職することにはならなかったと思う」と話し、手放したくない人材まで退社してしまったという認識を示した。

 同社は来年4月から、持ち株会社の下に、八つの事業子会社がぶら下がるかたちになる。社員は原則、いま所属している事業を引き継ぐ子会社に移る。給与は子会社ごとに業界水準などを考慮して労働組合と決めるため、今より下がる社員も出る見込みだ。子会社間の異動のハードルも格段に高くなるとみられている。

 そのため、「パナソニックという大企業への所属に魅力を感じていた人の意識は変わる可能性がある」(幹部)などとして、もともとあった早期退職制度に加算金を積み増し、勤続10年以上の社員に対象を広げて退職者を募集していた。(森田岳穂)