裁判所で刑事事件の手続き中にパソコン用の電源使用を認められなかった弁護士が、東京高裁に不服を申し立てる異例の事態になっている。弁護活動は「私的」なものだから、国が管理する電気は使わせないという裁判官。これに対し、弁護士は「弁護活動の公共的な役割の軽視で見過ごせない」と反発している。

 裁判所での電源使用を認めるよう申し立てたのは、刑事弁護で著名な高野隆弁護士(第二東京弁護士会)。今年5月に横浜地裁で始まった覚醒剤密輸事件の公判前整理手続きでパソコンを開き、法廷の弁護人席にあるコンセントで充電しながらメモしたり証拠を見たりしていた。だが、9月の打ち合わせで景山太郎裁判長から、「国の電気です」「(弁護活動は)私的(なもの)」「自前の電気でやってください」とコンセントの使用を制止されたという。

 高野弁護士は、充電を認めないのはパソコンを持って裁判所や拘置所などを動き回る弁護士の活動の制約で、「効果的な弁護を受ける権利を被告に保障した憲法37条に反する」と主張。その場で景山裁判長に異議を申し立てたが退けられたため、電気使用を認めるよう東京高裁に抗告した。

■弁護人「質の高い弁護にパソコン利用欠かせない」