塩野義製薬は27日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、最終段階の臨床試験(治験)をベトナムで開始したと発表した。新型コロナワクチンの開発で最終治験に進んだのは国内企業で初めて。同社は来年3月の実用化を目指している。

 開発中のワクチンと生理食塩水のプラセボ(偽薬)を比較し、発症予防効果をみる。今後、フィリピンなどアジア諸国で計約5万人を対象に行う。この治験の結果次第で海外に供給することも可能になる。

 国内では来年1月から、別の方法で最終段階の治験を行う予定。ワクチンを打った後、体内につくられて感染を防ぐ中和抗体の値を他社のワクチンと比べるもので、この結果を踏まえて厚生労働省に承認申請する計画だ。塩野義はすでに年間3千万人分以上の生産体制を整えている。

 国内では現在、米バイオ企業ノババックス社から技術移管を受けた武田薬品工業が製造販売について厚労省に承認申請中。ほかに第一三共とKMバイオロジクスが来年3月までに最終治験入りを予定し、創薬ベンチャーのアンジェスやVLPセラピューティクスも初期の治験を進めている。(田中奏子)