中部電力を代表とする企業グループが事業者候補となっている名古屋競馬場(名古屋市港区)跡地の開発計画について、愛知県と市、同グループが3日、基本協定を結んだ。締結は昨夏の予定だったが、計画にあった大学移転が頓挫し、ずれ込んだ。全体スケジュールには影響しない。混乱を踏まえたうえで、県市が事業継続を認めた形だ。

 計画は、競馬場跡地のうち南東区画を除く約15ヘクタールを開発するもの。中電グループは複合商業施設やマンション、大学や幼稚園などが並ぶまちづくりを提案し、昨年6月に契約候補に選ばれた。2026年のアジア競技大会の選手村に使われた後に整備し、まち開きは28年を予定する。

 だが中電によると、南西の「学びゾーン」に同朋大(名古屋市中村区)を移転する計画だった学校法人・同朋学園が昨秋、移転の中止を決め、グループへの参画を辞退したという。

 開発は南東区画に場外馬券売り場を移すことが前提で、昨年7月には学園理事の一人が記者会見を開いて「ギャンブル施設の隣に教育施設を設けるのはおかしい」と批判した。学内で強い反対が出たため、移転を断念したとみられる。

 ただ、グループは南西区画に教育施設をつくる方針を維持する考えだ。

 中電によると、近隣の高校が全校移転する方針を固めて手続きを進めているといい、近く公表するとしている。このほか大学を運営する複数の学校法人とも、施設の誘致をめざして交渉しているという。

 グループは昨年12月末、同朋学園が離脱し、提案内容に変更があったとして県と市に書類を再提出した。県市は1月、「事業コンセプトは維持され、責任を持って守る努力をしている」などとして変更を認めた。

 中電広報は取材に対し、「新たな事業者についても慎重に選定し、最後まで責任を持って事業を推進する」とコメントした。(関謙次)