【宮城】東北大大学院工学研究科は今年度、女性に限った教授職(任期なし)5人の公募を始めた。現在123人中2人しかいない女性教授を7人に増やし、女性の割合を1.6%から5.5%に高める。男女格差の解消をめざす思い切った取り組みだが、SNS上などで論争も起きている。

 東北大は特に理系の女性研究者が少ない現状を変えようと、力を入れてきた。今月5日には、多様性、公正性、包摂性を理念に掲げた「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)推進宣言」を発表。女性限定公募は、その目玉策と位置づける。

 対象分野は機械系、電気・情報系など工学全般。採用されると独立して研究室を運営し、助教1人を雇うことができる。パートナー帯同で働きやすいよう、他大学や企業に所属したままのパートナーを雇用するクロスアポイントメントも可能とした。女性教員の採用枠を設けた大学は他にもあるが、ここまで支援に踏み込むのは珍しい。公募は続いており、締め切りは8月1日。着任は来春を予定する。

 同大では、博士課程の女子学生比率は1992年の5.7%から2021年は30.9%に増えた。一方で21年の女性教員は18.4%、助教や助手を除いて教授、准教授などに限ると12.5%にとどまる。まだ「ガラスの天井」があるのが現実だ。

 だが、大隅典子副学長(医学系研究科教授)がツイッターでこの公募を紹介したところ、「性別が理由で応募できないというのは心に来るなー」などと、否定的な声が複数寄せられた。博士号を取得したのに大学の正規ポストにつけない「ポスドク(博士研究員)」の問題などを背景にした、主に若手男性からとみられる不満だった。

■「女性限定公募」が生んだ議論