ウクライナから避難の学生に「和のなごみ」 着物の着付けなど体験
椎木慎太郎
2022年5月19日09時30分
日本経済大学(福岡県太宰府市)が受け入れているウクライナから避難した学生らが17日、福岡市中央区の「舞遊の館」で着物の着付けや日本の作法などを学んだ。
留学生に日本文化を学んでもらう研修の一環。経営学部で学ぶ学生21人は、赤や白、ピンクといった色鮮やかな着物を興味津々の様子で選んだ。黒地に白い水玉と紅白の金魚が描かれた着物を試着したエリザベータ・ペトロバさん(21)は「きれい。珍しい体験ができた」。エリザベータ・アンドロソバさん(20)は「着物を着るのが昔から夢だった。ウクライナに住むおばあちゃんに見せたい」と喜んだ。一方、畳には靴を脱いで上がることを知らない学生もいて、「土足はだめよ」と注意される一幕もあった。
学生たちは日本に避難して約2カ月になる。引率した椿健太朗准教授(36)によると、「日本語や英語で話す時は明るい様子だが、ウクライナ語が話せる教師には、母国に残る家族の心配や、今後の生活の不安を語る学生もいる」という。「舞遊の館」の延原進治理事長(71)は「和の文化は和みの文化。この体験で少しでも和んでもらえたら」と話した。(椎木慎太郎)