教育をめぐる格差をなくそうと、全国各地の高校生が動き出した。無料のオンライン塾を計画するほか、使わなくなった参考書などを集めて必要な人に届ける。きっかけを作ったのは、家計がコロナ禍の影響を受けた男子高校生だった。

 兵庫県の中高一貫の私立校、三田学園高3年の浜田颯太さん(17)=神戸市=は、新型コロナウイルスが広がった2020年春に父が経営する居酒屋が休業。収入は一時的に母のパート頼みになった。

 両親から家計の状況を説明されることはなかったが、自宅で過ごす時間が長くなった父を見て、「塾に行きたい」と口に出せなかった。多くの同級生が塾に通う。「もしかしたら、僕は学ぶ機会をなくしたのかも」と、教育の格差に関心を持つようになった。

 浜田さんは昨夏、福岡県宗像市であった次世代のリーダーを養成するサマースクールで、身近な社会問題とその解決策を話し合った。参加した約140人の高校生は、公立や私立、都会や地方など境遇は様々。多くの「差」を実感した。

 父の居酒屋は再開し、日常を取り戻した浜田さん。「僕と同じような経験をした人はほかにもたくさんいるはず。高校生だからこそ気づくこと、できることがある。だれしも機会を奪われず、チャンスがつかめる環境をつくってみたい」と同世代に呼びかけた。

 浜田さんと、その思いに共感した北海道から熊本の高校生が昨秋、28人で団体「Get CHANCE」を結成。放課後、オンラインで教育格差の解消について知恵を出し合っている。