19世紀末のフランスでユダヤ系軍人が冤罪(えんざい)で投獄された「ドレフュス事件」。反ユダヤ主義を背景にしたこの事件を描いた映画「オフィサー・アンド・スパイ」の公開に合わせ、ドレフュスの孫のシャルル・ドレフュスさん(95)がオンラインで東京都内の高校の生徒たちと交流し「差別と闘う手段は教育しかない。歴史の負の遺産を後世に伝えていくことが大事だ」と訴えた。

 自身も戦中にユダヤ人迫害を経験したロマン・ポランスキー監督の映画(公開中)は、丁寧に事件の流れを追う。

 1894年、フランス陸軍大尉アルフレッド・ドレフュスがドイツに機密を流した疑いをかけられ、反逆罪で終身刑を宣告される。主人公のジョルジュ・ピカール中佐は、有罪の決め手の文書の筆跡が別人のものだと気づくが、体面を重視する軍部は隠匿。ピカールは左遷される。98年、事件の不当性や軍部の腐敗を作家ゾラが「私は告発する」と新聞に寄稿するなどして、99年にドレフュスは恩赦により釈放。1906年に無罪が確定した。

 フランス在住のシャルルさんと対話したのは、東京都立西高校(杉並区)の生徒約30人。映画の配給会社のロングライドによると、過去に別の作品でも監督や出演者と高校をオンラインでつないで交流したことがあり、シャルルさんも「日本の若者と接したい」と望んだことから、5月中旬に「特別授業」として実現したという。

■差別は「根拠のないもの」