〈有子と友里 往復書簡〉<7>朝の過ごし方、最近のお気に入り。
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焼きたてのクロワッサンは極上のおいしさ -
パンオショコラやカヌレも並びます -
朝から、笑顔がさわやかな後藤裕一さん -
きれいな巻きにうっとり -
朝の光が気持ちいい -
ざくろの入ったケールのサラダ -
PATH名物、ダッチパンケーキ。メープルシロップをかけて、甘しょっぱさがたまらない
野村友里さんの手紙から続く
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友里ちゃん、お便りありがとう。
人生の先輩の、それも同性の素敵な方々の語録には大きくうなずいてしまいました。「人は笑顔に集まるもの」「執着しないこと。新しい朝を笑顔で迎えなさい、もったいないわよ」などの言葉は、なにげない日常の心に響くものがありました。そう、一日一日は大切で、かけがえのないもの。笑って過ごした方がいいわよね。そして、やりたいことに対して時間は無限にはないと思う今日この頃。有限であるからこそ、やりたいことがはっきり見えてくるようにも思うのです。
そんなおおげさに考えることもないのですが、でも、日々を大切にしたいということには変わりません。まずは一日のはじまりを大事にしたいな、と思っています。
このところ、朝の過ごし方で一日が変わるなぁと思うようになりました。早く起きるのがやや苦手な私にとって、「アーリーバード」という響きは永遠の憧れ。それでも最近は少し早起きして、たまには朝から外へ出て楽しむようにしています。朝の過ごし方を見直すといった感じです。ぼーっとしていると、午前はあっという間に終わってしまいますからね。仕事を持ってどこかへ、ということもあれば、外でゆっくり朝ごはんを食べるということも。どちらもとてもぜいたくな時間です。
ほどよい距離の散歩コースに、今一番お気に入りのお店があります。代々木八幡にできた「PATH」は、ビストロのシェフとペストリーシェフがふたりで開いた店。朝は驚くほどおいしいサンドイッチや珍しいダッチパンケーキ、スープやケールサラダなどが食べられます。ペストリーシェフの後藤裕一さんが店先でクロワッサンやマドレーヌを焼いていて、それがなんとも魅力です。焼きたてのクロワッサンを朝から食べられるなんて、まるでパリのよう。コーヒーもリトルナップコーヒーの深煎りとフグレンの浅煎りから選るというのも心憎いのです。朝は近所の常連さんも多いようで、後藤さんやスタッフがお客さんと気さくに話している感じも心地よい光景です。つい長居してしまいますが、よい一日をスタートできます。友人たちの間でも朝活ならぬ、「朝PATHする?」というのが合言葉になっているほど。朝をどう過ごすかって大事ですね、友里ちゃん。
おばあちゃんになったら、一緒に朝ごはん屋さんしてみない? その時のお店の名前は「アーリーバード」でいいかしら?(笑)
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PATH
東京都渋谷区富ヶ谷1-44-2 A-FLAT 1F
8~15時(LO14時)、18~24時(LO23時)
毎週月曜と、月1回日曜 休業
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(次回は6月3日掲載予定です)
料理家の渡辺有子さんとフードディレクターの野村友里さんが、日々気になったものや、おいしいものについて交換し合う連載。隔週金曜日に掲載しています。