山道具日記
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〈48〉はんごうリバイバル! 「トランギアのメスティン」

子どもの頃、林間学校で習った飯盒(はんごう)炊さん。今となっては昭和の古き良き思い出ですが、最近にわかに「飯盒」が再燃中です(私たちのなかで)。野外でいかにおいしくごはんを炊くか。いろいろ試してみてたどり着いたのが、飯盒なのでした。

余計な装飾が一切ない、シンプル&武骨なたたずまい。さすがは飯盒です!

余計な装飾が一切ない、シンプル&武骨なたたずまい。さすがは飯盒です!

山にわざわざ生米を担いで行って炊飯するという面倒な活動を始めたのは、アメリカのトレイルを歩いてからのことでした。日本と同様、アメリカのアウトドアショップにも湯を注ぐだけで食べられるフリーズドライフードなどが豊富にそろっているのですが、それが非常にマズイ……。せっかく美しい風景の中を何日も歩くのに、食事のたびに悲しい思いをするのが嫌で、スーパーで日本米を買って、毎日それを炊いてホカホカごはんやおにぎりを食べていました。おかずなんかなくたって、おいしく炊けたごはんがあれば幸せなんだ。それに気づいてからは、少々重くても、山では生米を持ち歩くようになりました。

ご承知のとおり、標高の高い山では水の沸点が下がるため、炊飯も勝手が違います。気温が低かったり、風が吹いたりするので、「強火何分、弱火何分、蒸らし何分」といった具合に、「いつでも絶対おいしく炊ける方程式」みたいなものも役に立ちません。重要なのは、米が炊ける音や湯気の匂いなどで炊け具合を判断すること。それはもう経験を積むしかないわけで、最初のうちは芯が残ったり、おかゆのようになってしまったり、ほとんどおこげになってしまったりと、失敗続き。1年ほど山での炊飯修行をして、やっと失敗なく炊けるようになりました。

取っ手は折りたたんで収納できます

取っ手は折りたたんで収納できます

使う鍋の素材によって熱伝導が変わるので、鍋選びも大切なポイントです。修行中はステンレスやチタン、アルミなど、いろいろな鍋を使ってみましたが、熱伝導のよいアルミ製が一番調子が良かったように思います(考えてみれば、子ども時代に使っていた飯盒もアルミ製でした)。

アルミ鍋の中でも、一番上手に炊けるのが、スウェーデンのアウトドアブランド・トランギアのメスティンでした。四角いお弁当箱に取っ手がついたようなコッヘルで、超武骨なデザインもなかなか格好いい。一般的なコッヘルと違ってふたがぴったり閉まるので、炊飯中でもふたがガタガタせず蒸気も逃しません(コッヘル炊飯する場合はふたの上に石などを乗せて密閉に励むのですが)。蒸らしも完璧で、野外というのに自宅と同じくらいふっくらとおいしいごはんが炊けるのです。

シングルバーナーに乗せられる小ぶりなサイズ感もいい。1.8合ほど炊けます。3.5合炊けるラージサイズもあり

シングルバーナーに乗せられる小ぶりなサイズ感もいい。1.8合ほど炊けます。3.5合炊けるラージサイズもあり

「いや~、このコッヘルはごはんを炊くためにあるようなものだよね、本当に」なんて長年いろいろな人に進めてきたのですが、最近衝撃の事実が発覚しました。じつはこの「メスティン」、和訳すると「飯盒」という意味だったのです! つまり、私が発見するずっと前、というか、発売当初からこれはれっきとした飯盒であり、米を炊くために作られた商品だったのです……。無知って怖いですね。これまでメスティンの炊飯能力について鼻息荒く語っていた私は、とんだすっとこどっこいだったわけです。関係者のみなさま、大変失礼しました。

お弁当箱としても使えますよ! 

お弁当箱としても使えますよ!

まあ私の失態はさておき、何が言いたいかといいますと、やっぱり野外でおいしくごはんを炊くには、飯盒が一番だということです。もちろん、米を炊く以外にも湯を沸かしたり、ラーメンをゆでたり、一般的なコッヘルとしても使えますので、ご心配なく。一度体験すると二度とアルファ米生活には戻れない「飯盒で山ごはん」。ぜひみなさんもメスティンでトライしてみてください!

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