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ワインとごはんの方程式
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<22>パリのビストロ風、さざえのフライに赤ワイン

ワイン22-1

さざえとエリンギのフライ。どれがさざえでどれがエリンギ? レシピは記事の最後に

夏の貝シリーズ、前回のムール貝に続いて、今回は「さざえ」がテーマです。それも、パリのビストロ風にフライにして、そこに合わせるのは赤ワイン。なぜ赤ワインなのか? それは肝のソースを作るときに赤ワインを混ぜるから、なんだそうです……!

    ◇

明日香 さて、今週は“夏の貝”第2弾です。おいしい貝はいろいろあるけれど、今回は、「西麻布 みかづき」の井浦さんにさざえでフライを作ってもらおうかな、と思っています。しかも肝ソースで! 実は先日パリのビストロで食べたエスカルゴのフライのおいしさが忘れられなくて、そこからのアレンジです。

リカ うわあ、肝ソース?!

明日香 そう、さざえの肝に赤ワインを混ぜて……。

リカ となると、合わせるのは……もしや赤ワイン?

明日香 そう! 今日はイタリアのネッビオーロ100%で造った「CAVALLOTTO / Langhe Nebbiolo 2014(カヴァロット/ランゲ ネッビオーロ)」を合わせてみたいなと思っています。

リカ 貝にネッビオーロですか! なんか意外な感じ……ネッビオーロといえば、酸とタンニンがしっかりあるイメージがあります。

明日香 そう、まさにその酸とタンニンを肝ソースに合わせたんです。ささ、まずはワインを飲んでみて。

ワイン22-2

合わせるのは、バローロやバルバレスコと同じブドウ、ネッビオーロ100%の赤ワイン

一つ下のランクで、同じブドウを選ぶと楽しい!

リカ うわあ、きれいな赤ですねえ。

明日香 2014年のワインなので、フレッシュなんですよね。ところでリカちゃん、ネッビオーロの代表銘柄ってなんだったか覚えてる?

リカ えーっと……。バルバレスコ

明日香 そう! そしてイタリアワインの王様、バローロ。二つともイタリアワインの原産地呼称制度の最高銘柄、D.O.C.Gです(ワインのおはなし<17>参照)。今日持って来たワインは、それよりも一つ下のランクで、村名よりも広域な地域を表す“D.O.C.ランゲ”のネッビオーロ100%のワインです。イタリア北部、ピエモンテのクーネオ県で造られたものなんですよ。

リカ へえ。バローロやバルバレスコと同じ、ネッビオーロ100%で造られているんですか。でも、どんな違いがあるんですか?

明日香 バローロ、バルバレスコは、樽(たる)で長く熟成させ、そのあとさらに瓶で熟成させた上でしか世にリリースできないのですが、D.O.C.ランゲの場合はそこまで厳格な熟成規定がないので、若くて親しみやすい果実味のあるネッビオーロを楽しめます。もちろんお値段もお手頃なので、家飲みにはぴったりです。

リカ なるほど! じゃあ、フレッシュなネッビオーロを楽しみたいときは、D.O.C.ランゲのネッビオーロ100%を選べばいいんですね。

明日香 そう。ネッビオーロ特有の酸とタンニンはしっかり入っているけれど、フレッシュ感があるので違う楽しみ方ができます。ちなみに、このワインの生産者、カヴァロットさんはバローロで超有名な造り手さんです。彼のバローロを飲もうとするとかなり高いのですが、これなら3000円台で手に入りますよ。

(さっそく料理が出てくる)

リカ うわあ……カリッと揚がっていて、おいしそう~。

明日香 さあ、さっそくアツいうちにいただきましょう!

リカ いただきまーす。(ハフハフ……)うわあ、たまらない。サクサクの衣とさざえのジューシーさがなんともいえない組み合わせ……。

肝ソースの酸味と、ワインの酸味がぴったり寄り添う

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肝ソースもおいしくて、それだけでも飲めます

明日香 でしょ? 肝ソースもぜひつけてみて。これ、ビネガーの酸味がほんのり効いていて、ワインの酸味がぴったり寄り添うんです。さらに、ソースの肝のコクにワインのタンニンが、さざえのジューシーさに、フレッシュなブドウのジューシーさがぴったりマッチしているんです。

リカ んん~、たしかにワインと合います! さざえもかむほどにうまみが出てきますね。

明日香 さざえ自体に歯ごたえがあるので、さくっとしたフライの食感とコリコリ感が一体となって、口の中が楽しいですよね。さらに、この肝ソースが余ったら、最後にパンに浸して食べるのも最高なの。ソースだけでワインが進んじゃいます

リカ (モグモグ……)あれ……? これは食感がさざえっぽいけど、さざえじゃないような?

明日香 ふふ、当たりね! エリンギです。井浦さんの遊び心で、さざえ以外のものも入っているんです。

リカ うわあ、なんだか全然わからない!(笑) でもおいしいです。ちなみに、この肝ソースはどうやって作るんですか?

明日香 さざえの肝のスープにしじみのだしを入れ、白ワインビネガーとしょうゆで味付けをしています。

リカ ええ?! しじみのだしまで入っているんですか。すごい手間をかけていますね。

フライを塩とレモンで食べるなら、ガヴィもおすすめ

明日香 だからこその味なんですね。このワインだと、少し冷やしてもおいしいかもしれませんね。もし違うワインを合わせるなら、同じピエモンテ州の“ガヴィ”という白ワインもおすすめです。ガヴィのブドウ品種は、ピエモンテの土着品種“コルテーゼ”。すっきりとした果実味と酸味が特徴で、魚介類にとても合うの。だから最初にガヴィで乾杯して、その後ネッビオーロで……というピエモンテつながりで合わせていくのもいいかも。

リカ 肝ソースなしなら、ガヴィでもよさそうですね。

明日香 フライを塩とレモンで食べるなら、むしろガヴィの方がいいかもしれません。おしょうゆをかけてもおいしいでしょうねー!

リカ それにしても、この肝ソース止まらない……。コクと酸味で合わせたというのがわかりやすいマリアージュです。魚介だからって白ワインというわけじゃないんですね。そういえば以前、サンマも赤やロゼで合わせましたっけ!(ワインとごはんの方程式<1><2>参照)

明日香 そう、料理の仕方やワインの特徴によって、魚介類のおいしさが引き立つ赤ワインもあるんですよ。

リカ ああ……魅惑のマリアージュの世界、たまランゲ~。

■本日の方程式:“酸味とジューシー”の方程式
肝ソース(酸+コク)+さざえ(ジューシー)
=ネッビオーロ(酸味+タンニン+ほのかな果実味)

    ◇

■本日のレシピ:さざえとエリンギのフライ[材料]
・さざえ
・エリンギ
<A>
しじみ
昆布

ニンニク
オリーブオイル
バター
しょうゆ
白ワインビネガー
赤ワイン

<B>
・パン粉
・パルメザンチーズ

<C>
・卵
・薄力粉

1)さざえはつぼ焼きにする。
2)Aを火にかけしじみのだしをとる。
3)1のさざえは身と肝と不可食部に分け、きれいに洗い拭く。殻に残ったスープはこしておく。
4)小鍋にニンニクとオリーブオイルを入れ、香りを移し、少量のバターと2のしじみ汁、3の肝とスープを入れ、肝にきちんと火を通す。冷めたら、ミキサーでピュレにする。味見をして、しょうゆと白ワインビネガー、1/5に煮詰めた赤ワイン少々を加え、ソースを完成させる。
5)Bをフードプロセッサーにかけ、チーズパン粉を作る。
6)さざえに隠し包丁を入れてぶつ切りにし、エリンギも同じくらいの大きさに切る。そこにCを混ぜ合わせた衣をつけ、サクッと揚げる。皿にソース、さざえ、エリンギの順で盛ってできあがり。

<お料理協力 西麻布 みかづき

ワイン22-5

さざえもエリンギも、衣をつけてさっと揚げる

ワイン22-6

ソース、さざえ、エリンギの順にもりつけていく

■本日のワイン
CAVALLOTTO / Langhe Nebbiolo 2014
(カヴァロット/ランゲ ネッビオーロ)

ワイン22-3

CAVALLOTTO / Langhe Nebbiolo 2014(カヴァロット/ランゲ ネッビオーロ)

(構成・宇佐美里圭/写真・興村憲彦)

    ◇

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