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〈ファッションニュース〉「”ファッション”は嫌い」ラルフ・ローレン

 1960年代にネクタイのセールスから身を起こし、一代で世界に知られるブランドを作り上げたラルフ・ローレン。「時を経ても変わらない美しさをたたえた服」を掲げ、ビンテージの愛好者は日本でも少なくない。ファストファッションの伸長もあって従来のブランドビジネスが曲がり角を迎える中、何を思うのか。

ショーを終え、総立ちの拍手に手を上げて応えるラルフ・ローレン。会場は名車が並ぶ自らのガレージだった=9月、米ニューヨーク


ショーを終え、総立ちの拍手に手を上げて応えるラルフ・ローレン。会場は名車が並ぶ自らのガレージだった=9月、米ニューヨーク


 9月のニューヨーク。マンハッタンにあるラルフ・ローレンのショールームは、翌日のファッションショーを前に慌ただしく人が行き交っていた。ハイヒールやアクセサリーがずらりと並ぶ一室で待っていると、仕立てのいいカーキ色のシャツを着た男性が入ってきた。「そんなに緊張しないで。僕がとてもハンサムなのは知っているけどね」。ラルフ・ローレンはそう言ってほほえむと、ゆったりと椅子に腰掛けた。
 2年前に最高経営責任者(CEO)の職から離れたが、78歳の今も制作の最前線に立ち、毎シーズン新作を発表している。「精力的ですね」と聞くと、「自分がパワフルだとは思わないな」と言った。やめたいと思ったことは何度もあると明かしながら、「自分のやっていることが本当に好きなんですよ」。

いずれも2017年秋冬コレクションから=ショーの写真は大原広和氏撮影


いずれも2017年秋冬コレクションから=ショーの写真は大原広和氏撮影


 エレガント、クラシカル、タイムレス。服について語るとき、何度もこうした言葉が出てくる。「私は『ファッション』は嫌いです。時に流行とか時代遅れとかを意味するでしょう。はやり廃りがあるような服は、好きではないんです」。最新作を披露した今回のショーでも、「アメリカン・クラシック」を感じさせる服が並んだ。グレンチェックの正統的なワンピースやコート。ドレスは布が流れるように落ちて、美しいラインを描いていた。
 「エレガントで時を超えた服は、老いも若きもすべての人のためにある。作りのいいものは美しいのです。服は本質的にいいもの、いいデザインでなければなりません」
 ユニクロの運営会社が過去最高益を記録する一方で、従来のアパレルは苦境にある。ラルフ・ローレンも今年、ニューヨーク五番街にある旗艦店の閉店が大きなニュースになった。「五番街の店は少し商業的で、必ずしも私のスタイルを反映した店ではありませんでした。店を開けたり閉めたりすることはビジネスの中で普通にあることで、何も特別ではないですよ」。こともなげにそう言った。
 今年でブランド誕生から50年。真価が問われるのは、これからだ。

往年のデザイン、古着も人気

1990年ごろに作られたというラルフ・ローレンのムートンコート=東京都杉並区のサファリ2号店


1990年ごろに作られたというラルフ・ローレンのムートンコート=東京都杉並区のサファリ2号店


 流行にとらわれないラルフ・ローレンの服は、古着も人気がある。
 東京・高円寺でラルフ・ローレンを中心に米国の古着を扱う「サファリ2号店」。デニムやスウェットのほか、貴重な皮革製品も取りそろえる。往年のデザインを求めて、トラッドを好む中高年からストリート系の若者まで、幅広い年齢の男性がやってくる。
 ブランドのビンテージコレクターでもある経営者の村山佳人さんは、「ラルフの服は30~40年代のアメリカにインスパイアされた、しっかりとしたルーツのある服。時代に翻弄(ほんろう)されることなく、ぶれないで、王道を行ってもらいたい」と話す。
 92年発売のポロシャツは古着で人気だが、今年9月に復刻版が数量限定で売り出され、東京・原宿の店の前には長い行列ができた。(長谷川陽子)

基盤のある解釈

 ファッションディレクターの赤峰幸生さん(73)の話 40年近く前、日本に上陸したラルフ・ローレンのショーは衝撃だった。英国源流のクラシックなスーツスタイルをアメリカ流に解釈し、古き良き時代への郷愁を取り込んだコレクション。漢字の書体に例えると、楷書体がしっかりと書けるから行書体も美しい。でも、草書体は書かない。ラルフはそういうクリエーターではないか。

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