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京都の老舗洋菓子店「村上開新堂」のカフェで甘いひと時を

「京都最古の洋菓子店」として知られる、寺町通りの「村上開新堂」。タイルの床や古びたショーケースがクラシカルな洋菓子店のその奥に、2017年春、ひっそりとカフェがオープンしました。

京都の老舗洋菓子店「村上開新堂」のカフェで甘いひと時を

村上開新堂が今年春オープンしたカフェでいただける限定スイーツの1つ「フォンダン・ショコラ」

村上開新堂といえば、ジャムやチョコレートをのせて焼き上げたレトロなクッキー「ロシアケーキ」や、オレンジをくりぬいた夏季限定の「オレンジゼリー」が定番の洋菓子店。それらを買い求める人から「せっかくだから、今ここで食べてみたい」という声が寄せられてきたことから、店の奥のスペースが空いたことをきっかけに、カフェスペースが誕生しました。

京都の老舗洋菓子店「村上開新堂」のカフェで甘いひと時を

従来の販売スペースの奥に続く扉を開けると、カフェの空間へとつながっている

と言っても、表にはカフェの看板も案内も出ていません。店の左奥の扉の向こうに、端正な通り庭とモダンな透かし模様のパーテーションが見えるのみ。しかし、昔ながらの常連客からお土産を求める旅行客まで、店に訪れたなら思わず立ち寄りたくなる美しい空間が目に止まり、たちまち評判を呼びました。

京都の老舗洋菓子店「村上開新堂」のカフェで甘いひと時を

床の間や縁側など、日本家屋のしつらえを生かしながらもモダンな雰囲気に

メニューは、店頭で販売しているロシアケーキやマドレーヌなどをその場でいただける「焼き菓子セット」(ドリンク付き900円・税込み)と、カフェ限定のスイーツ「ほうじ茶のシフォンケーキ」「フォンダン・ショコラ」(ともにドリンク付き1,200円・税込み)。クリスマスやバレンタインなど冬のイベントが待ち受けるこの季節、フォークを入れると中のチョコレートがとろりと溶け出す温かいデザート「フォンダン・ショコラ」は、ぜひ味わいたい一品です。

京都の老舗洋菓子店「村上開新堂」のカフェで甘いひと時を

「フォンダン・ショコラ」は、甘さを抑えつつ、濃厚なカカオの風味が生きた大人の味わい

カフェを企画したのは、村上開新堂の4代目当主である村上彰一(むらかみ・しょういち)さん。創業以来変わらぬ洋菓子を作り続けてきた村上開新堂で、35年ぶりに新商品を打ち出すなど新しい試みに取り組んできました。

京都の老舗洋菓子店「村上開新堂」のカフェで甘いひと時を

4代目当主・村上彰一さん。新商品の開発やイベントへの参加など、新しい試みを続けている

「村上開新堂の歴史やストーリーを長年愛してくださるお客様を大切にしながらも、自分や若手の菓子職人にとって『自分たちで作ったもの』と言える商品や空間を生み出したかったんです。このデザートも、僕が監修しつつも、若い職人たちが試行錯誤して作り出してくれたもの。新しいことに取り組むことで、村上開新堂の歴史を次世代へとつなげていけたら」と、村上さんは語ります。

京都の老舗洋菓子店「村上開新堂」のカフェで甘いひと時を

透かし模様のパーテーションに仕切られた一席。優しい明かりが格子模様を美しく照らす

その姿勢はカフェの空間デザインにも生かされています。既存の建物の面影を残しながらも、北欧のヴィンテージ家具やモダンな照明を取り入れ、クラシカルな村上開新堂のイメージから半歩進んだ、現代的な要素がプラス。一方で、初代の妻が茶室として使っていたというスペースは、古風な調度品を備えた個室として残しました。喫茶カウンターは、同じ寺町通りに店を構える老舗錫工芸店「清課堂」が手がけたもの。縁側の向こうには手入れの行き届いた坪庭が広がり、景色を眺めながらぜいたくなカフェタイムを過ごすことができます。

京都の老舗洋菓子店「村上開新堂」のカフェで甘いひと時を

縁側からは坪庭を眺めることができる。奥には授乳室もあり、行き届いたおもてなしが

大切な人と甘いひと時を過ごしたり、洋菓子を手みやげに訪ねたりすることが多くなる冬。老舗洋菓子店の「今」を感じるカフェでスイーツを堪能したら、ノスタルジックな焼き菓子をお土産に持ち帰ってみてください。甘いものが紡ぎだす、ひと続きの物語を味わえるはずです。(撮影/津久井珠美 文/大橋知沙)

【村上開新堂】
075-231-1058
京都市中京区常磐木町62
カフェ11:00~17:00(L.O.16:30)/物販10:00~18:00
日曜、祝日、第3月曜休
地下鉄東西線京都市役所前駅から徒歩4分
http://www.murakami-kaishindo.jp

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フォトグラファー

津久井 珠美(つくい・たまみ)

1976年京都府生まれ。立命館大学(西洋史学科)卒業後、1年間映写技師として働き、写真を本格的に始める。2000〜2002年、写真家・平間至氏に師事。京都に戻り、雑誌、書籍、広告、家族写真など、多岐にわたり撮影に携わる。 http://irodori-p.tumblr.com/

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