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パリの外国ごはん
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自家製の優しい味と、ほんのりスパイス。チベット料理Tashi Tagyé

パリ1
パリ2
  

前回、韓国料理店に行くと決めたときに、実はもうひとつ候補があった。スープものがメインにあって身体の温まりそうなお料理。寒さは続いていて、そのもうひとつの候補、チベット料理屋さんに行くことにした。

パリに数店あるチベット料理店の中から、私も万央里ちゃんも行ったことのないところにしよう、と目星をつけると、以前この連載でご紹介した、“おばあちゃんの餃子(ぎょうざ)”店とウズベキスタン料理のお店のすぐ近くにあることがわかった。これまで知らなかったけれど、フォーブール・モンマルトル通りから1本中に入った9区のこのあたりは、意外にアジア系のレストランが集まっている。

パンケーキ包みの前菜と、自家製麺入り牛肉のスープ

着いてみると、店内はインテリアも雰囲気も落ち着いていて、女性一人で食事をしている人も少なくない。それで、優しい味のお料理なのかなぁ、と想像した。

渡されたランチメニューに目を通しつつ、アラカルトもめくってみると、ベジタリアンとそうでない料理で区別されている。料理名はどれもチベット語で書かれていて、フランス語で説明があった。

ひとつずつ見ていくと“自家製”と書かれた料理がいくつかある。5種類のレンズ豆のカレーにバスマティ米を合わせたものや、牛肉と野菜の炒めものにライスか蒸しパンを合わせた料理もすごく気になったのだけれど、やっぱりそれよりも“自家製”という言葉にひかれた。

その中でもけっこう選択肢があって、迷った末、ホームメイドパンケーキで野菜とキノコを包んだ前菜と、自家製麺入り牛肉のスープを取ることにした。万央里ちゃんはベジタリアン料理の中から、材料にある“チベットの根菜”が気になる、とチベット風サラダを前菜に、野菜とチーズの蒸したラビオリをメインにすることにしたようだ。そして、バターミルクティーも。

パリチベット1

注文をするときに、件の“チベットの根菜”とは何かと聞いてみると、フランスにはないので、チベットから取り寄せているという。

果たして、出てきたサラダには茶色い小粒の豆のようなものが散らしてあった。どうもそれが根菜らしい。食べてみると、甘みのあるお芋のような味。食感は里芋に近い印象だ。クレープの方は小麦粉に卵をしっかり加えたリッチな質感で、軽く炒めて塩で味付けしたニンジンにしいたけ、キクラゲ、春雨を巻いている。

卵の入った少し厚みのある生地で野菜を巻くって、ありそうだけれど意外に食べたことがないかもしれないなぁと思った。このシンプルな組み合わせ、これからたまに食べたくなりそうだ。添えられた自家製ソースは、コリアンダーとミント、おろしたニンジンを合わせたもので、油っ気がなかった。

つけると少し大人っぽい味になる。ただ、サラダにしろ、このクレープ巻きにしろ、味がぼんやりしていた。優しい味、と言えばそうなのだけれど、お塩はほんのわずかしか入っていない。高地で寒いところだと、味が濃いのではないかと思っていたけれど、逆に塩分を取らないようにするのかな? なんて考えていたら現地に行ってみたくなってきた。

パリチベット2

続いて出てきたメイン。万央里ちゃんの蒸し物は小さな蒸籠(せいろ)が2段重ねで、ふたを開けてみると、小籠包のような形のものが3つずつ入っている。それを先ほどのクレープと同じハーブソースにつけて食べるらしい。私の頼んだスープ麺は具だくさん。大量のキャベツに、ニンジン、パセリ、トマト、軽く炒められた牛肉がたっぷり乗っている。それをかき分けると、黄色い麺が現れた。

パリチベット3

北海道ラーメンのようにも見えるその麺は、食べてみると卵の味ではなくて、何か着色作用のあるものを加えているかんじだ。スープを飲むと、高菜漬けとかザーサイと共通する味がした。ちょびっとスパイスの味がして、たまにピリッとする。

とはいえ、これもやっぱり塩味はとても控えめ。 決して、スパイシーでパンチのある味とかではない。蒸し物の方は、手打ちのもちもちした皮でほうれん草、ニンジン、チーズが包まれていた。味付けはこれも控えめながら、意外におなかにたまる気がした。いずれも、塩味は薄いものの、それが嫌ではなかった。疲れているときには思い出すんじゃないかなぁ、この味。

パリチベット4

おなかに余裕があったので、バターミルクティーを頼むことにした。それと、気になっていた自家製蒸しパンも。さんざん味が控えめだと書いたお料理とは裏腹に、このミルクティーはきりっと塩味が効いていた。対してもっちもちな蒸しパンは、お料理の付け合わせだけありほとんど塩味は感じない。それで、ますますほかのお料理への興味が高まる。どんな味付けが他にあるのだろう?

スープでほんのり感じたスパイスは、聞いたところ、ターメリックだとわかった。ただ、粉末ではなく、フレッシュなターメリックをおろして加えているらしい。ターメリックには胃の健康維持や美肌効果もあるそうだし、他のお料理を発掘しにやっぱり再訪したいなぁ。

パリチベット5
自家製の優しい味と、ほんのりスパイス。チベット料理Tashi Tagyé

Tashi Tagyé

24, rue Richer 75009 Paris

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