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パリの外国ごはん
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通いたい店、一気にベスト3入り。ベトナム料理「Lao Viet」

通いたい店、一気にベスト3入り。ベトナム料理「Lao Viet」
通いたい店、一気にベスト3入り。ベトナム料理「Lao Viet」
通いたい店、一気にベスト3入り。ベトナム料理「Lao Viet」

最寄駅のPorte d’Ivryから中華街に続くavenue d’Ivryへは向かわず、トラムの走っている大通りを、お店なんて一軒も無さそうな方向へ歩いて行く。本当にこっちで合っているかな? と不安に思い始めたころ、お店に到着した。

駅からは歩いて5分ほど。小雨の降り続ける好天ではない中、店内は満席だ。先に着いていた万央里ちゃんの姿を探すと、いちばん奥の席に座っていた。ここは彼女が前から「一度連れて行きたい」と言ってくれていたベトナム料理店。彼女の家からは1時間もかかるのに、わざわざ足を運ぶという。一歩入ると、そこはナチュラルに少しセピア色で、旅先にワープしたような感覚になった。

  

店員さんがメニューを持ってきてくれた。表紙からすでになにやら個性を放っている。もとから渋めな色合いが褪せて、レトロな雰囲気だ。中を開くと、自分たちのところで作った料理を撮影した、と分かる写真が料理名とともに並んでいた。ページをめくれど料理写真は続き、最後の料理にふられた品番は179。18ページもあった。途中、写真は無しで料理名だけ記載された箇所も若干あったけれど、それでも2時間くらい眺めていられそうなメニューだ。

「うわぁ、なんかいっぱいあるね~」と喜びの声を上げると、「他では見たことのない料理が結構あるんだよ。でもね、あっこちゃんに食べて欲しいのがひとつあってね。焼きなすがあるんだけど……」と万央里ちゃんが言うので、ページをめくって探す。「本当にシンプルな焼きなすなんだけど、すごくおいしかったの。あと、その上にある青菜炒めもおいしかった」。じゃあその二つは取ろう!と決定。

アジア料理に行くと悩ましいのは……

そこから、選ぶのはそんなに簡単じゃなかった。食欲を刺激する料理がいくつも目に付く。ミント、コリアンダーと一緒にレタスで包んで食べるらしいラオス風チャーハンや、チキンのバジル炒めがごはんに乗ったもの、バインセオもこちらのはひと味違いそうだし、とキリがない。アジア料理の店に行って悩ましいのは、ごはんと麺の両方が食べたくなること。粉ものにも惹かれる。炭水化物欲が盛り上がり、この日も大いに悩んだ。

「カレーっぽいのが食べたい」と言っていた万央里ちゃんは最終的に、トム・カーカイ(鶏のココナッツスープ)ともち米を頼むと決めたようだ。ならば、お米のものじゃないほうが良いな、とパッタイの幅広バージョンのような焼き米麺を取ることにした。

オーダーをすると、万央里ちゃんイチ押しのなすの一品はもうやっていない、と言われる。残念~。代わりに、「様子を見て追加しよう!」と話していた、目玉焼きにひき肉炒めとピリ辛ソースのかかった、見るからにごはんの友として抜群であろうひと皿を注文。それにカイラン(青菜)炒め、スープ、もち米、米麺。店内は相変わらずぎっちりいっぱいで、隣のテーブルの人たちが帰って行き空いたのも束の間、またすぐに次のお客さんが案内されてきた。

  

まず最初に登場したのはカイラン炒め。これには干したさきイカのようなものが入っていて、いい味を出しているという。たしかに、イカの出汁がよく出ていた。カイランの茎の太い部分は斜めに切ってあり、シャキシャキしながらも口当たりが良い。ニンニクがみじん切りではなく、潰した粒のまま入っているのも個人的にはポイントが高かった。おしょうゆにちょっと甘みのある味付けで、コクはあるけれどさっぱりしている。

  

続いて運ばれてきたのは卵だ。上に、赤ピーマンとひき肉の炒めものがかかっている。これもやっぱりおしょうゆベースの味。ただ、甘みはさっきと違って、シーズニングソースだろうか。卵は、目玉焼きというより高温でさっと火を通した感じの“フライドエッグ”。そおっとよそわないと割れてしまいそうで、だからそおっと慎重にしたのに見事に割れた。もとのお皿に流れ出た黄身をレンゲですくい、ごはんにかける。バジルが効いていておいしい。

  

そしてスープ。鶏肉はぶつ切りのことが多い気がするが、こちらではそぎ切り。それで食べやすく、おいしさを増している気がした。お砂糖ではなく、赤タマネギから溶け出した甘みが全体に感じられる。優しい甘みでクリーミーで、もち米とよくあった。

  

最後に幅広米麺が出てきた。もっちもちでどんぐりの粉でも入っていそうだ。麺自体にボリューム感があり、食べ始めると途端におなかが張った。そりゃそうだ、その前にもち米も食べている。でも、もうおなかいっぱい! と思うのに後を引く味で、麺の食感も楽しくて、ついつい食べてしまう。それでちょびちょび食べ続けていたら、シイタケのような味を感じた。

それを伝えると万央里ちゃんが「あ~、シイタケじょうゆ使ってるのかもね」と聞き捨てならないことを言った。シイタケじょうゆ? そんなのあるの?? と聞くと、sauce aux champignons (きのこ風味のソース)なるものがあるらしい。へぇ~、知らなかったなぁ、そんな調味料があるのか。この麺は、しょうゆの他にオイスターソースも使われている気がしたけれど、そのシイタケしょうゆも入っているのかも。だとしたら、うまみ三重奏だな。

  

カイラン炒め、卵、米麺と3品ともおしょうゆベースの味なのに、味の印象はそれぞれ異なっていて、そしてどれもコクがありさっぱりしていた。ほかのお料理もおいしいに違いない。このお店、この連載で訪れた中で、通いたい店ベスト3に一気に躍り出た気がする。いろいろ試したいから、次回は4、5人で夜に行きたいなぁ。

  
通いたい店、一気にベスト3入り。ベトナム料理「Lao Viet」

Lao Viet

24, boulevard Massena 75013 Paris

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