一眼気分
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自分が気持ちいい写真を撮るべし

フランス、パリのシャンゼリーゼ大通りから凱旋門越しに沈む夕日。これも決まると気持ちが良いカット。Canon EOS-1DX EF70-200mm F:2.8L USM SP:1/250 F2.8


フランス、パリのシャンゼリーゼ大通りから凱旋門越しに沈む夕日。これも決まると気持ちが良いカット。Canon EOS-1DX EF70-200mm F:2.8L USM SP:1/250 F2.8

僕は夕焼けや夕日の写真が好きだ。だからどこへ行っても夕景を撮っているのだが、時々不思議な感覚に陥る瞬間がある。それは例えばデジャブ(既視感)みたいなものかもしれないが、以前どこかで同じような光景を撮影したことがある、そんな感覚だ。

F1アブダビGPの名物とも言える夕日バックのショット。もう少し夕日が沈んでくれるともっと気持ちいいのだが……。Canon EOS-1DX Mark II EF600mm F4L IS II USM SP:1/250 F:4.0


F1アブダビGPの名物とも言える夕日バックのショット。もう少し夕日が沈んでくれるともっと気持ちいいのだが……。Canon EOS-1DX Mark II EF600mm F4L IS II USM SP:1/250 F:4.0

前回、全く同じ瞬間はあり得ないと言った。しかし、ディテールは異なるが、同じような景色を撮影したと感じることもある。それはもしかしたら本当に似たような景色を撮ったのかもしれないし、あるいは単なる思い違いかもしれない。でも僕はこのデジャブを積極的に楽しんでいる。

カナダ、モントリオールの夕景。好きな夕景の上位に入る。空の美しさが緯度の高さを感じさせてくれる。LEICA M8 LEITZ ELMARIT-M 21mm / F2.8 SP:1/500 F:5.6


カナダ、モントリオールの夕景。好きな夕景の上位に入る。空の美しさが緯度の高さを感じさせてくれる。LEICA M8 LEITZ ELMARIT-M 21mm / F2.8 SP:1/500 F:5.6

こと夕景の撮影に関して言えば、空を入れ、沈みゆく夕日を入れ、と比較的同じ構図になりやすい。実際、過去の夕景の撮影シーンを並べて見ると、同じようなアングルやフレーミングが多いことに気づく。「同じような写真ばかり撮っているな……」と、本来なら自分のバリエーションの無さを嘆く場面かもしれない。

でも僕はそこで「そうか! これが僕の一番心地よいアングルでフレーミングなんだ!」と思い、自分の好きで得意な写真だから「これでよし」としている。もちろん今日はセレクトして、似た写真は出さないようにしているが……(笑)。

東京の多摩川沿いの土手。初回の雪景色もここから。東京近郊では高い建物を入れない工夫も必要。LEICA M8 LEITZ NOCTILUX-M 50mm/F1.0 SP:1/500 F:4.0


東京の多摩川沿いの土手。初回の雪景色もここから。東京近郊では高い建物を入れない工夫も必要。LEICA M8 LEITZ NOCTILUX-M 50mm/F1.0 SP:1/500 F:4.0

結局、写真を撮影した本人が心地よいことが一番大切だと思うし、それを見た人が肯定的でも否定的でも、思いもよらぬ反応をしてくれる姿を見ることも写真の楽しみの一つだ。だから写真は限りなく独善的でいいと思う。その感覚が他人と異なる一枚を生み出し、時に感動や驚きを与えてくれるのだから。

お気に入りのイスタンブール、ボスポラス海峡。まだ日は高いが思い切って露出を絞ってみた。Canon EOS-1DX EF70-200mm F:2.8L USM SP:1/800 F20


お気に入りのイスタンブール、ボスポラス海峡。まだ日は高いが思い切って露出を絞ってみた。Canon EOS-1DX EF70-200mm F:2.8L USM SP:1/800 F20

今日は天気が悪い――撮影する際に天候の影響は大きく、思ったような状況になることばかりではない。むしろ予想と違って戸惑うことが多い気もする。ではそんな時にどう対処するか? 青空がなく、太陽の光がない曇天ではどうあがいても気分の良い写真は撮りづらい。もちろんストロボを使うという選択肢も有りだと思うが、個人的にはどうも不自然で好きになれないから、スタジオでの撮影は極力避けている(笑)。

イタリア、ミラノの小さなホテルのバーで。ガラスに映るグラスとボトルが気になり撮らせてもらった一枚。RICOH GR DIGITALII SP:1/2 F:2.8


イタリア、ミラノの小さなホテルのバーで。ガラスに映るグラスとボトルが気になり撮らせてもらった一枚。RICOH GR DIGITALII SP:1/2 F:2.8

それよりもその場で与えられた照明や偶然のリフレクション(光の反射)などを駆使して撮影する方が創造的で圧倒的に楽しい!
暗いから環境を明るくするのではなく、暗くてもすてきな写真が存在するということ。むしろ暗い状況はどこかに一条の光が差せば、印象的な写真が生まれる可能性がある。ガラスへの映り込みやテーブルなど光沢ものの反射、キャンドルなどが置かれた状況なら、逆にそれはチャンスだと思う。

イギリス、バッキンガムの近くのシングルトラックロード。ハリー・ポッターの世界。RICOH GR DIGITALII SP:1/60 F:2.4


イギリス、バッキンガムの近くのシングルトラックロード。ハリー・ポッターの世界。RICOH GR DIGITALII SP:1/60 F:2.4

光をどう扱うか? それは言い換えれば影をどう扱うかということでもあり、真正面からの順光線では誰が撮ってもつまらない写真になる確率が高い。でもそんな時に自らが動き、立ち回ることで状況は変えられる。

仮に同じシーンを撮ったとしても、撮影者の数だけ異なる写真が生まれる可能性がある。だからこそ「写真は写心」なのだ。自分の心が何を感じたか、自分がその場で何を考えたか、写真は正直であり、大うそつきでもある(笑)。
だから気楽にだましだまされつつ、今日もカメラを構えてみようじゃないか。

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