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メンズファッションが妙にアウトドア化しているのはなぜ? ノースフェイスから見た「変化」

ザ・ノース・フェイスの本格アウトドアウェアは日常着としても大ヒットしている


ザ・ノース・フェイスの本格アウトドアウェアは日常着としても大ヒットしている

ここ数年、20代から40代の男性を中心にアウトドアウェアを日常着として活用するスタイルが定着している。もっともアウトドアファッションは昔から一定のファンがいたが、最近は妙にそっち系のファッションに身を包んだ男性を見かけることが多くなった。

アウトドアファッションは、なぜ「来て」いるのだろうか。このブームを牽引するブランドの一つ「ザ・ノース・フェイス」のアパレルグループマネージャー・大坪岳人さんに話を聞いた。

アウトドアアイテムの定番化は10年前から起きていた?

大坪岳人さん。1979年生まれ。2004年に株式会社ゴールドウインに入社。現在はザ・ノース・フェイス事業部アパレルグループマネージャーを務める


大坪岳人さん。1979年生まれ。2004年に株式会社ゴールドウインに入社。現在はザ・ノース・フェイス事業部アパレルグループマネージャーを務める

長年にわたりザ・ノース・フェイスの商品開発に携わり、男性ファッションの“アウトドア化”を最前線で目の当たりにしてきた大坪岳人さんは、今の現象を次のように説明してくれた。

「これまでにもアウトドアウェアを街着として使う流れはありました。例えばストリート系の若者にとって、ザ・ノース・フェイスのナイロンジャケットは20年以上も前から定番のアイテムです。ところが10年ほど前から、大人の男性もアウトドアアイテムを普段使いするようになってきました。どこをブームの起点とするかは意見が分かれるかもしれませんが、個人的には登山用品店のスタッフによる『山アイテムは普段着にも使える』という口コミが、ファッション関係の人に流れていったあたりから徐々に広がったように思います。特に大きく変わっていったのはここ5年くらいのこと。雑誌の編集者やカメラマンさんが、徐々にアウトドアのアイテムを取り入れるようになり、そこからファッション誌などにも取り上げられるようになり、どんどん輪が広がっていった感じです。とにかく山のアイテムは日常着にしても快適だと気付く人が増えて、以前より使われ方が多様化してきているんです」(大坪さん)

東京・原宿にあるザ・ノース・フェイス本店。平日昼も客足が途絶えることはない


東京・原宿にあるザ・ノース・フェイス本店。平日昼も客足が途絶えることはない

「アウトドアやスポーツブランドではない一般のアパレルメーカーさんが、機能素材を使ったアンダーウェアなどを出したことも大きかったように思います。機能素材を取り入れた日常着はこんなに過ごしやすいものかと、多くの人が気づくきっかけを作られたのではないでしょうか」(大坪さん)

一方、欧米でもスポーツテイストを日常着に組み込む「アスレジャー」や「ゴープコア」をはじめ、アウトドアウェアを取り入れるスタイルのブームがある。しかし、欧米では「普段からアウトドアアイテムを着るのはちょっと…」と考えるユーザーが多かったためか、定番化には至っていないと大坪さんは言う。

「ザ・ノース・フェイスも本国・アメリカではあくまで純粋なアウトドアブランドという立ち位置ですからね。日本のように、ファッション性が高いアイテムは多くはありません。事実、ノースフェイスのタウンユース系ウェアは日本独自企画のものがほとんどです」(大坪さん)

音楽フェスをきっかけにアウトドアウェアの魅力に気づくユーザーも少なくないという


音楽フェスをきっかけにアウトドアウェアの魅力に気づくユーザーも少なくないという

高機能アウトドアウェアは現代の価値観にもマッチする

今やオフィス街を歩くスーツ姿のサラリーマンでさえ、バックパックを背負っていることも珍しくない。10年前ではあまり考えられなかった光景だが、こうした変化についても大坪さんは興味深い指摘をする。

「2005年に環境省が始めた『クールビズ』キャンペーンの存在も大きかったですよね。あそこからドレスコードよりも機能を優先させようと考える人が増えたように思います。また時を同じくしてカフェや公園など自分の好きな場所で仕事をするノマドワーカーも登場しています。ここ数年であれば、SNSの影響で『モノ』自体よりも『どこに行った』とか『どういうことをした』といった『コト』を重視する人が増えてきているように思います。行動しやすく、快適で場所を選ばずに活動できるアウトドアウェアは、そういった世の中の流れにもフィットしたのかもしれません」(大坪さん)

ザ・ノース・フェイスでは、高機能素材を使ったビジネスウェア、さらにデイリーウェアも展開している


ザ・ノース・フェイスでは、高機能素材を使ったビジネスウェア、さらにデイリーウェアも展開している

数年前までハイブランドを着ていたものの、3年ほど前からアウトドアファッションを着始めたという40歳の男性は「一度着るととにかく楽なんですよね。それにちょっと着崩しているくらいの方が、今の自分にはちょうどいい」と語る。

シンプルなデザインのバックパックは、スーツスタイルにもすんなりマッチする。東京のオフィス街では、バックパックスタイルの男性も多い


シンプルなデザインのバックパックは、スーツスタイルにもすんなりマッチする。東京のオフィス街では、バックパックスタイルの男性も多い

無理をしない。楽に着られる。機能性も申し分ない。それでいて、ちょっとかっこいい。ここ数年の男性ファッションのアウトドア化は、ただのブームではなく、価値観やライフスタイルそのものが変化した結果なのかもしれない。

  

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) 公式サイト
https://www.goldwin.co.jp/tnf/

取材・文 吉田大
撮影・藤島亮

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