猫と暮らすニューヨーク
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ヘビー級の猫たち、ストローラーに乗って旅をする。

幼少期は犬と暮らしていたアンドレアさん。祖父母が飼っていた猫が攻撃的だったため、猫のことがずっと怖かったという。そんなアンドレアさんを変えたのは、以前ルームメートが飼っていたメインクーン猫。今では超(ちょう)が付くほどの猫好きです

幼少期は犬と暮らしていたアンドレアさん。祖父母が飼っていた猫が攻撃的だったため、猫のことがずっと怖かったという。そんなアンドレアさんを変えたのは、以前ルームメートが飼っていたメインクーン猫。今では超(ちょう)が付くほどの猫好きです

[猫&飼い主のプロフィール]
猫・Edgar(エドガー)7歳 オス メインクーン、Louie(ルーイー)2歳半 オス サイベリアン、Elvis(エルビス)11歳 オス 雑種
飼い主・ジュエリーデザイナーとして自身のブランドYAH YAH Jewelryを展開するAndrea Zeuner(アンドレア・ズーナー)さん。クイーンズのリッジウッドにある自宅兼ジュエリー工房で猫3匹と暮らす。

おそらく連載史上初、登場する猫3匹の体重をあわせると約21キロという、もっともヘビー級な今回。飼い主は、ジュエリーデザイナーのアンドレアさん。きっかけはかつてのルームメートが飼っていたメインクーンの猫。「まるで犬みたいな性格が気に入ってしまって、ブリーダーを紹介してもらい我が家にも迎えることにしたんです」(アンドレアさん)

自身の人生初となる飼い猫の名はエドガー。「実はブリーダーのところで、エドガーかもう一匹のメスか、どちらにしようか悩んでいたんです。そうしたらエドガーが、私が持参したキャリーケースの中に入りこんできてしまって」とアンドレアさん。猫に選ばれし飼い主。「それはもう運命ですね」

毎夜アンドレアさんの隣に寄り添い、枕に頭を乗せて人間みたいに眠るエドガー。この勇ましい顔と、そんな甘えん坊な性格とのギャップがたまりません!

毎夜アンドレアさんの隣に寄り添い、枕に頭を乗せて人間みたいに眠るエドガー。この勇ましい顔と、そんな甘えん坊な性格とのギャップがたまりません!

メインクーンの割にはスリムでひきしまったボディー、立派なひげをたくわえた男爵顔のエドガー。「子猫のときはヒゲばかりが目立つ顔。正直なところ、あまりかわいい見た目ではありませんでしたよ」と笑うアンドレアさんのそばを、片時も離れず、くっついて歩く、相棒のような存在。「よく私に頭をすり寄せて鳴くんです。そんなときは、エドガーと会話をしているような気持ちになります」(アンドレアさん)

エドガーの良き遊び相手にと、数年後に迎えたのが、サイベリアン猫のルーイー。オレンジ色のロングヘアをまとった、わがまま豊満ボディー。寝転がると際立つおなかの丸さ、そのコミカルな姿は、もはや芸人級。

体重約8キロのルーイー。3匹のなかでは最年少、エドガーともエルビスとも仲が良く、「遊ぶのが大好き。常にかまって欲しい、小さな子どもみたいな性格です」(アンドレアさん)

体重約8キロのルーイー。3匹のなかでは最年少、エドガーともエルビスとも仲が良く、「遊ぶのが大好き。常にかまって欲しい、小さな子どもみたいな性格です」(アンドレアさん)

そんな愛(いと)しい2匹と暮らすうちにアンドレアさんは、「猫のレスキューや預かり猫の手伝いをしたいと思うようになった」という。今ではフォスター(一時預かりのボランティア)として活動、つい最近まで3匹の子猫と母猫を預かっていた。これまで預かった猫はいずれも無事に里親の元へ。「とてもやりがいのある経験だと思います。すべての猫に幸せになってほしいから」と頰をゆるめる。

さて、アンドレアさんが数カ月前、3匹目に迎えた猫は、11歳になるエルビス。「妹が付き合っていた彼のお母さんが飼っていた猫。ひざの調子が悪いといって病院に行ったお母さんに末期がんが見つかって、猫を手放すことになったんです」。始めはフォスターをして里親を探すつもりだったけれど、「一緒に暮らすうちにハートを奪われた」ということで、家族の一員に。「今ではエルビスは、ルーイーの良き友だちです」(アンドレアさん)

以前の飼い主がエルビスに付けたあだ名は、smelly(スメリー・「臭う」の意)。「よほど臭う猫なのかと思ったけれど全然! なんてかわいそうなあだ名なの」とアンドレアさん

以前の飼い主がエルビスに付けたあだ名は、smelly(スメリー・「臭う」の意)。「よほど臭う猫なのかと思ったけれど全然! なんてかわいそうなあだ名なの」とアンドレアさん

ヘビー級な三匹との暮らしは、愉快な出来事の連続。エドガーはまるで子どものように、アンドレアさんとかくれんぼをして遊ぶし、ルーイーは人間みたいに壁に寄りかかって垂直に座り、アンドレアさんを驚かせる。「エルビスはなぜか好んでマヨネーズを食べるんです……」(アンドレアさん)

なかでもベストワンは、アンドレアさんがペンシルベニアにある実家へ帰った時のこと。いつも猫を連れ帰るアンドレアさん、あまりにも猫たちが重いので、昨年念願のペット用ストローラー(折りたたみ式のベビーカー)を購入した。

猫たちを乗せ、上からフードをかぶせ、ストレスを感じないようさらにスカーフを上からかけて、地下鉄の駅に向かったところ……「階段のところで右往左往していたら、『手伝いますよ! 私の家にも赤ちゃんがいてね』なんて笑顔でストローラーを運んでくれる人がいたり、地下鉄に乗れば『赤ちゃんは何カ月?』って次々に聞かれて、みんな私が赤ちゃんを連れているものだと思いこんでいるんです(笑)

ちょうどルーイーが1歳半のときだったので、1歳半です、って答えたら『なんておとなしい、静かな赤ちゃんなの!』と驚かれてしまって。どうかお願いだからミャオって鳴かないで。私の嘘(うそ)がばれちゃうから。と心のなかで祈っていました(笑)」

猫たちがもしもミャオと鳴き声をあげていたら……、きっと周りの人たちの困惑した顔といったらない。そんなシーンを想像し、思わず吹き出すアンドレアさんと私なのでした。

(写真・前田直子)

>>写真のつづきはこちら

連載「猫と暮らすニューヨーク」では、ニューヨークで猫と生活するさまざまな人を訪ね、その暮らしぶりから、ユニークなエピソード、インテリアや飼い方のアイデアまでを紹介します。

YAH YAH Jewelryのウェブサイト https://www.yahyahjewelry.com/
YAH YAH Jewelryのインスタグラム https://www.instagram.com/yahyahjewelry/

PROFILE

前田直子

写真家 24歳で渡米。サンフランシスコのAcademy of Art Universityで写真を学んだ後、日本へ帰国し、フォトグラファーの前田晃氏に師事。2010年に独立し、雑誌や写真集、ウェブなどで幅広く活動。2013年に再び渡米、現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に、日本&アメリカの雑誌や広告、ウェブなどで撮影を手がける。猫アレルギーでありながら、子どもの頃から無類の猫好き。10代の頃、実家で飼っていた猫の名前はチノ。
www.naokomaeda.net

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