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太公望のわくわく 釣ってきました
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カンパチ、メジロを「落とし込み」でゲット 和歌山県美浜町

67センチのカンパチを釣った筆者

67センチのカンパチを釣った筆者

近年、流行しているのが、落とし込みという釣り方です。

胴打ちされたハリだけの仕掛けや、疑似餌をつけたサビキ仕掛けを、まずベイト(魚の餌となる生き物)のタナに落として小魚に食わせ、その小魚をつけたままで仕掛けを底近くへ落としていき、そこに待っている、ベイトを食べる大物の高級魚を狙います。
小魚をつけて落としていくので、落とし込みと言われているのです。

落とし込みと言うと、関西では、チヌ(クロダイ)の釣り方の一種ととられがちですが、紀州では昔から行われており、チョクリ釣りと言われていました。日本海に面した福井方面ではタテ釣り、九州などでは落とし込みと呼ばれています。

「落とし込み」の図式。小魚にハリを食わせ、小魚を食べにきた大物を釣る

「落とし込み」の図式。小魚にハリを食わせ、小魚を食べにきた大物を釣る

呼び方は違えど、そのコンセプトのほとんどは、一緒です。
空バリか擬似餌に小魚を食いつかせ、仕掛けを落下させ、小魚を狙っているフィッシュイーターの大物を狙うのです。
いわば弱肉強食の釣りであり、わらしべ長者的な釣りなのです。ほとんどの釣り人は、この釣りを楽しいとか、面白いといいますね。私もその一人ですが。

今回出かけたのは、9月24日、和歌山県美浜町の山見丸で。釣り同好会「倶楽部(くらぶ) 海人川人」の松本隆さん、中野真一さんが一緒です。
午前5時に港を出た山見丸は、ゆっくりと南下してポイントへ到着。すでに3隻の船が釣りをしていました。

ポイントには、すでに船が集結

ポイントには、すでに船が集結

まずは、イケスに海水を張るところから始まります。釣れたアジを生かしておくためです。釣って生かしておいたアジが最後に重宝するのです。

ハリス10号、4本バリの落とし込み仕掛けをセットします。オモリは50号。仕掛けをフリーフォールで落とします。
山見船長が「30メートルから底まで」とアナウンス。これはベイトのタナを言ってくれているのです。この深さに仕掛けを通過させ、小魚をヒットさせるのです。
アタリが無ければ、電動リールをフルスピードで巻き上げます。30メートルなら25メートルまで巻き上げ、そしてまた、フリーフォールで仕掛けを落下させるのです。
小魚がハリに食いつけば、アタリが出るし、仕掛けの落下速度も変わります。
エサがハリにつけば、底まで落として、3~5メートル上げてアタリを待つのです。小魚が群れているのであれば、その下にはたいてい、エサを狙う大型の魚が潜んでいるものです。運が良ければ、小魚がハリについて、仕掛けを落とした瞬間、アタリが出ます。小魚が大物に狙われ、逃げ惑うさまが竿(さお)先に現れるのです。

ハリに付いたアジは、できる限り生かしておく。エサがつかないときに重宝する

ハリに付いたアジは、できる限り生かしておく。エサがつかないときに重宝する

実際の水中映像は見たことがありませんので、何とも言えませんが、その暴れようは、尋常ではありません。
逃げているときは、ぶるぶるとした竿先の暴れ方という表現が合うでしょうか? それが、大物にロックオンされると、ガタガタと大きく竿先が引き込まれ、やがてゴンと大きなアタリが、何回か続きます。
小魚をくわえ、飲み込もうとしているのでしょう。竿そのものをも引き込まれそうなくらいです。

もう心臓バクバクです、この瞬間は。合わせの瞬間は、大きく引きこまれたときなのですが、食いの悪いときには、十分に食い込ませないと、早合わせになることもあるのです。いわゆるすっぽ抜けです。すっぽ抜けしたときは、「あーっ」と思わず声が出てしまうほど、落胆してしまいますよ。

幸運にも2回目のフリーフォールでエサが付き、底でアタリを待つことができました。しかし、本物のアタリは来ずでした。釣れたアジは生かしておきます。

次の流しで、待望のヒット。ドラグ(ラインが切れないようにする装置)を締めていても、ギュンギュンギュン!と道糸が引き出されます。

ひゃー、楽しい!

頭の中はカンパチ一色。ですが、上がってきたのは、メジロ(ブリの小型)でした。ちょっとがっかりですが、良く引いてくれたメジロに感謝。

しなる松本隆さんの竿(さお)

しなる松本隆さんの竿(さお)

そして、「その瞬間」がやってきたのです。
エサはたやすくハリにのりました。そして落としていきます。底までの距離が分かっていますから、底から3メートル上で止めます。その瞬間、ドッカン!
「ジィィィィーッ!」。ドラグが滑ります。
そのアタリは、一気食いという感じでした。
先のメジロの引きとはまったく違う。「カンパチであってくれ」。その願いは通じ、船長の差し出すタモに収まりました。

67センチ。立派なカンパチです。しげしげと魚を見ます。というのも、久しぶりにカンパチを見たからです。

カンパチを釣り上げてうれしさがこみ上げる松本さん

カンパチを釣り上げてうれしさがこみ上げる松本さん

この日は、私が座った左舷(さげん)の舳先(へさき)がアタリ席でした。
仕掛けを何度落としてもベイトのアジがハリに食いつかなくなってきたのを見て、船長が生かしてあったアジを刺して落としてと言います。

すると、どうでしょう。アタリの連発です。ベイトはいなくても、底には大物がいたのですね。続いて65センチのカンパチ、60センチのメジロが連続で来て、最後は45センチのシオ(カンパチの小型)。

中野真一さんにはメジロがヒット。数少ないアタリをものにした

中野真一さんにはメジロがヒット。数少ないアタリをものにした

松本さんも65センチのカンパチにシオ、そしてメジロが2尾。中野さんは、メジロのみでしたが、二人とも初めての落とし込みで高級魚をゲットして、ご満悦でした。

カンパチ2尾、シオが1尾、メジロが3尾で竿頭となった筆者。盆と正月がいっぺんに来たとはこのことかもしれない

カンパチ2尾、シオが1尾、メジロが3尾で竿頭となった筆者。盆と正月がいっぺんに来たとはこのことかもしれない

帰ってすぐにカンパチを料理しました。造りはシオを選択、カマの塩焼き、あら煮はカンパチを使いました。というのも大型ほど身が熟成するのに時間がかかるからです。
ほんのり脂がのった刺身は、まだコリコリ感があり、久しぶりの味を楽しみました。

カンパチのカマの塩焼き。ほどよく脂がのってうまかった

カンパチのカマの塩焼き。ほどよく脂がのってうまかった

釣ったその日は小型のシオを造りに。ウマイ!

釣ったその日は小型のシオを造りに。ウマイ!

山見丸
http://minnaga.com/yamamimaru/

安田明彦(やすだ・あきひこ)

釣りライター 1959年大阪市生まれ。父親の影響で子供のときから釣りが大好き。大学卒業後、釣り週刊誌の記者、テレビの釣り番組解説者などを務め、「やっさん」の愛称で親しまれる。あらゆる釣りを経験するが、近年は釣って楽しく、食べてもおいしい魚だけを求めて行くことが多い。釣り好き、魚好きが高じて、居酒屋を営んだこともある。

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