オオサンショウウオかと思ったらオオカミウオ

つぶらな瞳のオオカミウオ。だけど口の中はホラーレベルで怖い
前日、京都の水族館でみたオオサンショウウオ。ぶるぶる太っていて可愛い顔してドスンと座っていた。とても愛くるしくて、京都の友人が贈ってくれた「ガオーさん」と名付けたオオサンショウウオの人形と毎晩一緒に寝ているほどだ。
今朝夫から「今夜のご飯これ」とLINEが送られてきた。「なにこれ、ガオーさんみたい」と返信したら、「うん」としか返事がなかったので、うそだあと半信半疑で夫の帰宅を待った。
その魚は「オオカミウオ」。北海道あたりでとれるらしい。つかデカイ! 我が家に来たのは5キロ越え。デカすぎてグロ過ぎて絶句。「さばいてみなよ」と言われたけど、「服が汚れるからヤダ」と言って買い物に出かけてしまう私。帰宅したら「あと料理するのはお前だ」と言わんばかりにいろんなパーツにさばかれていて、初めて見る魚で味の特徴もわからないから考えに考え、大味で調理するのはやめて、地味な感じで食べてみようと決めた。ここからはわたしが勝手に命名したオオカミウオ料理の紹介。
オオカミウオのお刺し身

きれいな色の身。意外に淡泊
見た目を裏切る淡泊さ。脂が乗ってトロトロっていうのではなく、筋肉質でしまった肉質というのでもない。ヒラメに似たようなあっさり、でもしっかり味はする。ポン酢やしょうゆをつけてしまうとこの味が消えてしまうので、藻塩、穂紫蘇、ミョウガであっさりと。
オオカミウオと冬瓜(とうがん)のとろとろ煮

だしを吸った冬瓜がおいしい!
オオカミウオを三枚におろし(もちろんデカイので尻尾の方のさばきやすいパーツ)にしたら、昆布と干しシイタケと冬瓜と一緒に煮る。味付けは酒、みりん、塩だけ。だしの香りとオオカミウオの香りがなんとも上品。煮込んで一度冷まして味をしみさせたら、温め直して片栗粉でとろみをつけて出来上がり。身は淡泊。柔らかくてふわふわ。地味な味付けが映えるなあ。
オオカミウオの顔面紹興酒蒸し

顔を紹興酒蒸しに

ほっぺの肉が掘っても掘ってもでてくる!
紹興酒、しょうがスライス、昆布で挟んで数時間置き、そのまま蒸しました。分厚い唇はコラーゲンたっぷり。小さな目の周りにもおいしそうなお肉が。一番驚いたのは頬(ほほ)の肉。箸で掘っても掘っても肉が出てくるでてくる。こんなにほっぺが盛り上がっていて、肉厚な魚、初めて見ました。柔らかくてすんごくおいしい! 目玉のちゅるちゅるとお肉は育ち盛りの娘に。
オオカミウオの肝蒸し

蒸した肝。こちらも物足りない感じの淡白さ
あん肝と同じように蒸しただけ。あれ、脂っぽくない。なんだか肩透かしくらった。
オオカミウオときのこのあら汁

あら汁は秋らしくキノコ汁に
胃袋とか、骨、ヒレ、にくを湯引きして薄めのあごだしで煮込んでしょうゆと酒、みりんであじつけして、きのこと煮込みました。きのこはマイタケ、アワビダケ、エノキダケ。あ、なめこ入れ忘れた。きのこの香りを引き立たせる上品なオオカミウオの肉。スープの表面にはうっすら脂が浮いています。この魚はシンプルで薄めの味付けが合うんだと思う。