スリランカ 光の島へ
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〈8〉マダム、お茶にしませんか?

スリランカといってもなかなかイメージがわかなくても「セイロンティー」と聞くと、おいしい紅茶のイメージがあるのではないだろうか。スリランカがまだセイロンと呼ばれていた頃、紅茶栽培は盛んになった。もともとコーヒー栽培が盛んだったのだけれど、「さび病菌」が蔓延(まんえん)して壊滅的な打撃を受けてしまった。

そのかわりに植民地インドですでに紅茶栽培を成功させていたイギリスは、同じく植民地のスリランカでも紅茶栽培を始めた。新たな土地での紅茶栽培は大変なものだったけれど、セイロンティーを世界に広めた立役者ジェームス・テイラーが研究を重ねおいしい紅茶を作り出した。それがセイロンティーの始まり。

標高の高さで味が変わる紅茶栽培。標高610m以下のローグロウン、標高610m~1220mのミドルグロウン、標高1220m以上のハイグロウンにわかれている。日本人になじみがあり飲みやすいのはミドルグロウンのキャンディ(Kandy)、クセがないのでブレンドにもよく使われるそうだ。世界三大銘茶のひとつ、ウバ(UVA)はハイグロウン。旬の時期には更に風味も価格も上昇するそうだ。他にもローグロウンのルフナ(Ruhuna)、ハイのヌワラエリヤ(Nuwaraeliya)とディンブラ(Dimbula)と人気の紅茶は多い。

  

イギリスの紅茶文化が浸透しているスリランカ、午前10時と午後3時にお茶の時間が必ずある。多い人では1日に5回くらいティータイムをとっている。でもアフタヌーンティーのようにしっかりと時間をとるというものでなく、たった5分でもいいからお茶を一杯飲むということが大事らしい。

アフタヌーンティーは、はやりのカフェやホテルで絶対というほど提供しているけれど、スリランカの人にとってはそれは特別なイベントのようだ。「ちゃんとおしゃれして出かけていく」というような。しかもトレースタンドのスタイルではなく、ビュッフェスタイルのアフタヌーンティーの方が人気だ。

私たちがスリランカで仕事を始める時に、スリランカで起業している友人に「絶対お茶を出し忘れるな、何はなくともまずはお茶!」と言われて笑ってしまったけど、本当に大事な習慣らしい。そのお茶とは甘いミルクティーなのだけれど、別の友人の会社(社員数100人を超える)ではミルクティーの砂糖の量を減らしたらストライキが起きたらしい。うそのような本当の話。それぐらいスリランカの人にとっておいしい紅茶でひと息つけるティータイムは生活にかかせないものみたいだ。

  

私たちもスタッフにつきあってお茶休憩を取りいれてみた。やってみると悪いものではないなと思う。日本にいるときは、家では自分のペースでひたすら作業することが多かった。今、お茶休憩は「家族は元気?」とか、スタッフたちとのコミュニケーションになっていたり、やらなきゃいけないことで頭がパンパンになっているときの整理の時間になったりする。きっとティータイムは「お茶を飲む」という行為だけではないんだろうなとわかってきた。

高い紅茶がおいしいというのはもちろんだけれど、ダストと呼ばれる加工の過程で最後に残ってしまう茶葉も飲み方次第では、ミルクと砂糖でほっとするおいしい紅茶になる。ただスリランカの人に作ってもらうときは、砂糖を入れるときだけは見張っていないといけないけど。ちょっと仕事の手を止めて「マダム、お茶にしませんか?」

フォトギャラリーへ(写真をクリックすると、くわしくご覧いただけます)

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