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アドリア海のクリスマス、クロアチア第二の都市スプリト、ザダルを巡る

クロアチアの観光シーズンといえば、アドリア海がまぶしさを増す夏のイメージが強いが、オフシーズンと呼ばれる冬季も夏にはない魅力がある。そのひとつが「アドベント(待降節〈たいこうせつ〉)」だ。

クリスマスの4週間前の日曜日から始まるイエス・キリストの降誕を持ち望むこの期間は、街がイルミネーションやクリスマスの飾りできらびやかに装飾され、クリスマスマーケットの屋台が並ぶ。ここスプリトは1月中旬までクリスマスフェアが楽しめる。

(文・写真/鈴木博美)

ローマ皇帝の居城がそのまま街となったスプリト

アドリア海のクリスマス、クロアチア第二の都市スプリト、ザダルを巡る

アドリア海沿岸の町スプリトは、首都ザグレブに次ぐクロアチア第二の都市。4世紀初頭、時のローマ皇帝ディオクレティアヌスが晩年を過ごすための宮殿を建てたことから始まる。旧市街に残る城壁で囲まれた一角はその名残で世界遺産にも登録されている。ディオクレティアヌス帝といえばローマ帝国を東西に分け、正帝2人と副帝2人で四分割統治し、またキリスト教徒を弾圧し数千人以上を処刑したことでも知られる。

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地下宮殿に置かれたディオクレティアヌス帝の胸像

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ディオクレティアヌス帝の死後、西ローマ帝国が滅亡し廃虚化していた宮殿に、7世紀ごろから人々が住み始め、街となっていった。城壁に囲まれた現在の宮殿内を散策すると、ローマ時代と中世以降の建造物が混在する希少な町並みが残り、まるでいくつもの時代をタイムトラベルしているかのようだ。

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ペリスティル広場

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聖ドムニウス大聖堂

スプリトの一番の見どころといえるのがコリント式の列柱が立つペリスティル広場。ディオクレティアヌス帝がエジプトから持ち帰ったスフィンクス像のひとつもここにある。隣接する「聖ドムニウス大聖堂」は、もともとはディオクレティアヌス帝の霊廟(れいびょう)として建てられたが、後にキリスト教の教会にされた。皮肉にもキリスト教徒の迫害を行った張本人の墓が、その迫害によって殉教した聖人ドムニウスやストシャなどをまつるキリスト教の大聖堂となったのだ。シーズン中は世界各地からの旅行者でごった返すが、冬の時期なら心ゆくまで見物できるのがうれしい。

海辺のクリスマスマーケット

アドリア海のクリスマス、クロアチア第二の都市スプリト、ザダルを巡る

スプリトを始めアドリア海沿岸の町の冬は、コートを脱ぎ捨てるほどの暖かさではないが、内陸部にある首都ザグレブと比べると温暖だ。海沿いのプロムナードにはヤシの木が並び、紺碧(こんぺき)のアドリア海が太陽の光を反射して輝き南欧ムードにあふれている。

サンセットタイムは、海沿いのプロムナードに立つクリスマスマーケット屋台で、夕食前の一杯を楽しみながらオレンジ色の太陽が海に沈むゴージャスな景色を堪能するのもスプリトらしい過ごし方だ。

アドリア海のクリスマス、クロアチア第二の都市スプリト、ザダルを巡る

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「リヴァ」と呼ばれる海沿いのプロムナードは、クリスマスのイルミネーションで光り輝き、中央のステージでライブパフォーマンスが行われ盛り上がっている。またクリスマスマーケットの定番といえるグリューワインの香りを覆うように、スプリト名物のフリットゥレと呼ばれる、ふわふわの小さな揚げドーナツの甘い香りが行き交う人々を誘惑している。

アドリア海のクリスマス、クロアチア第二の都市スプリト、ザダルを巡る

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城壁の北側にあるストロスマエル公園にもクリスマスイルミネーションが飾られ、子どもたちが光の中を走り回っている姿がほほ笑ましい。ここではクリスマス関連のワークショップや子供向けコンサート、クラシックやジャズミュージックのミニコンサートなども開催されている。この時期のスプリトは夜更けまでにぎやかだ。

少し足を延ばして、新たに世界遺産に加わったザダルへ

アドリア海のクリスマス、クロアチア第二の都市スプリト、ザダルを巡る

スプリトから150キロほど海岸沿いを北上したところに位置するザダルは、かつてダルマチアの軍事と行政の中心として繁栄した要塞(ようさい)都市。2017年には「16-17世紀ベネチア共和国建造の軍事防御設備」の一部として世界遺産に登録された。映画界の巨匠アルフレッド・ヒチコック監督が「ザダルの夕日は世界で一番美しい」と絶賛したことでも知られている。

アドリア海のクリスマス、クロアチア第二の都市スプリト、ザダルを巡る

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ザダルの歴史はおよそ3千年前までさかのぼれる。ローマ帝国により都市が築かれ、紀元前1世紀までこの地を支配していた。その後、歴史の波に翻弄(ほんろう)され支配者が幾度となく入れ替わったが、ローマ時代のフォーラムは今でも街の中心広場としての役目を果たしている。広場に立つ聖ドナト教会は、10世紀のクロアチア王国時代の建立だが、古代ローマ時代の石柱を拝借していて、なんとも合理的で面白い。

またオスマントルコ軍の侵略から守るべく、ベネチア共和国時代に築かれた堅固な城壁が今も旧市街を取り囲み、正門には守護聖人、聖マルコのシンボルである「有翼の獅子」が彫刻されている。端から端まで歩いても1キロほどの距離の旧市街は、幾重にも塗り替えられた歴史がぎゅっと詰まっている。

アドリア海のクリスマス、クロアチア第二の都市スプリト、ザダルを巡る

そんなザダルのクリスマスマーケットは、旧市街の東端の広場がメイン会場となる。スプリトに比べると小規模だが、アットホームな雰囲気で居心地がいい。

アドリア海のクリスマス、クロアチア第二の都市スプリト、ザダルを巡る

ライトアップされたクリスマスマーケット会場はロマンチックなムードに包まれる。サンタクロースとクリストキントもやってきた。クリストキントはクリスマスの天使。名前は「幼きイエス・キリスト」だが女性の姿をしている。ドイツ南部とドイツ語圏、ハンガリーなどに伝わるキャラクターだ。そんなことからもザダルに流れた歴史の一端を感じられる。せっかくなら1泊して夜の雰囲気を楽しむのもいいだろう。ザダルのクリスマスマーケットは2019年1月2日まで開催中だ。

■関連記事
<ベスト・クリスマスマーケット、ハートがあふれるクロアチアの首都ザグレブ>

■取材協力
クロアチア政府観光局
https://croatia.hr/ja-JP

ターキッシュ エアラインズ
https://www.turkishairlines.com/ja-int/

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