食堂と名付けたシェフの思い フレンチなどベースに創作料理
「小林食堂」(東京・五反田)

JR五反田駅から山手線の線路沿いに目黒方向に進むとレストラン「小林食堂」がある。フレンチやイタリアン、和食をベースとした創作料理の店は、“食堂”という名前から受けるイメージよりは、随分としゃれた店だ。
ランチタイムは、前菜とメイン、自家製フォカッチャとドリンク付きのセットメニューが中心で、メインのセレクトによって価格が変わる。どれも手をかけた料理で、コストパフォーマンスは抜群だ。
驚くのは、メニューの豊富さ。この日の前菜は、鮮魚のカルパッチョ、マグロとアボカドのタルタル、白身魚と野菜が入ったかぶら蒸しなど6種類。メインはスパゲッティ、ラザニア、ポルトガル風ご飯など10種類も用意されている。ドリンクはコーヒー、紅茶、ハーブティーの他、ワイン、スパークリングワインなども追加料金なしで選ぶことができる。

マダイとコブダイの2種盛りカルパッチョ
この日の前菜の「鮮魚のカルパッチョ」は、マダイとコブダイの2種盛り。魚の仕入れにはこだわりがあり、富山県・氷見と玄界灘の2カ所から直送したもののみを使用する。オリーブオイルとレモン汁であえた大根、ミョウガ、ショウガなどの千切り野菜を敷いて、だしのきいた二杯酢のジュレをかける。ほどよい酸味のプルプルのジュレが、タイの甘みとよく絡む。
豚肉、アサリとイイダコのエキスがぎゅっと詰まった「ポルトガル風ご飯(1400円)」は、たっぷりとスープを含んだやわらかめの米にフレッシュトマトの酸味がいいアクセントになっている。
「アフリカンチキンとグリル野菜のマリネ レモン添え(1600円)」も、もともとはポルトガル料理だそうだが、このワイルドなネーミングとは対照的にとても手の込んだ繊細な一皿。スパイスをまとったチキンはやわらかくてジューシー。隠し味のココナツミルクが決め手だとか。

スパイスのきいた「アフリカンチキン」は中までジューシー
小林大輔シェフは、料理専門学校を卒業後、都内のフレンチやイタリアン、和食店などで腕を磨き、その時に出会ったさまざまなジャンルを融合した創作料理に魅力を感じたそう。オープンは2008年。独自のセンスで繰り出す創作料理は、奇をてらったものではなく、食べやすくやさしい味わいのものばかりだ。毎日食べても食べ飽きない料理を提供したいという思いから「食堂」と名付けたのだそう。
肩ひじ張らず気軽に入れるカジュアル感も小林シェフの目指すところ。ビジネスの会食や女子会、マダムたちのランチやディナー。おひとりさまも大歓迎だ。「ここをマイ食堂のように使ってほしい。自分の料理でおなかが満たされて幸せになり、料理を通して笑顔になってほしいです」と、小林シェフは満面の笑みで話してくれた。豊富なメニューは、どれも手をかけたやさしい味で、毎日でも通える“マイ食堂”に、ぜひ足を運んでみてはいかが。

五反田駅周辺の繁華街から少し離れた静かな一角にある
小林食堂
東京都品川区東五反田5-21-6 池田山コープ1F
03-3443-4520
https://www.facebook.com/kobayashishokudo/